任せられる人がおり、本人に意欲があることが大前提
第2部ではストライクの荒井社長が「多くのM&Aをお手伝いしてきたが、従業員承継は二つしか経験がない。それだけ難しいということでもあるのではないか」と前置きしたうえで、同社が従業員承継を支援した事例を踏まえてポイントを解説。従業員承継に欠かせない三つの条件を挙げた。
一つ目が、任せられる人がおり、本人に意欲があることとし、これが大前提であり、出発点であるとした。この条件がクリアできた場合に、二つ目の条件として、自己資本比率が高く、銀行から借金できること、三つ目の条件として業績が安定しており、借入金が返済できることとし、これら条件がそろうことが従業員承継のできる会社と結論づけた。
最後に従業員承継のメリットとデメリットについて触れ、一番のメリットは任せる側が安心できることを挙げた。一緒に仕事してきた従業員のため、安心感があり、M&Aのように外部の人材が経営するのではないため、無難にバトンタッチができるとした。
一方、デメリットとして、資金力の乏しい従業員に任せるため、高い株価を付けることができないほか、借入に頼るケースが多いため会社の財務に負担がかかる点を挙げた。
荒井氏は「こうしたことを理解したうえで、従業員承継を進めていただければ」と締めくくった。
文:M&A Online