本日のひとこと

米商品先物取引委員会(CFTC)が26日に発表した通貨先物のデータによると投機筋の円売り越し(ネット・ショート)は17.99万枚で2007年6月以来の高水準です。重要なのはこのデータが23日時点のポジション、つまり日銀会合前のものであるという点です。海外投機筋は、日銀が引き締めスタンスを強めるとは見ていなかったか、あるいは強めても円高に振れることはないと見ていたということになります。介入も「恐るるに足りず」と見ていたのでしょう。

そして日銀が26日に現状維持を決めたのはご承知の通りで、財務省による介入も未だ発動されていません(26日は1日で3円も円安が進んだにもかかわらず)。動かない日銀と財務省が、投機筋に円売り安心感を与えている状況とも言えそうです。投機筋にしてみれば、円売りポジションが歴史的な水準に積み上がっているとはいえ、そのポジションを閉じる理由がないといったところでしょう。

よほど想定外の事態が起きなければ、円売りポジションが巻き戻される=円高に振れる公算は小さいというのが今の円相場の地合いなのではないでしょうか。

注目の経済指標

<国内>昭和の日
特になし

<海外>
16:30 デコス・スペイン中銀総裁、講演
18:00 4月ユーロ圏経済信頼感指数
18:00 4月ユーロ圏消費者信頼感指数・確定値
20:15 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
21:00 4月独消費者物価指数・速報値
28:20 デギンドスECB副総裁、講演

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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