総括
FX「円買い介入も影響は小さい。株価が急回復。対米関係はギクシャク」人民元見通し
(通貨3位、株価11位)
予想レンジ 人民元/円21.3-21.8
(ポイント)
*年初来高値を更新後、円買い介入で反落も影響は小さい
*人民元は月間9位、年間3位
*中国・香港株が急回復
*4月の各種PMIは一部減速も50以上は維持
*今週の注目指標、貿易収支
*中国主席、5年ぶり訪欧
*対米関係は改善せず
*海外からの直接投資は減少
*若年層失業率は15.3%
*IMF、中国に不動産危機の早急な解決求める
*米上院、TikTok禁止法案を可決
*1Q・GDPは予想を上回る
*3月の物価は予想を下回る
*格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ、フィッチ
*米国の輸入、中国が15年ぶり首位陥落
(人民元は月間9位、年間3位)
年初来高値更新、4月29日に22.01。同日、円介入で下落、21.136までつけるも、現在3日連続陽線で、4月29日からの半値戻しの21.573近くまで戻している。
5月はここまで月間9位、年間では3位とまずまずの強さを示している。ドルが強く、そのドル主軸のバスケット制度を採用しているお陰である。ただ介入後は弱いドルに引き摺られている。
(中国・香港株が急回復)
上海総合指数は年初来5.16%高、香港ハンセン指数は、プラス圏に入り7.439%高、2月2日では、それぞれ8.23%安、8.88%安であったので急回復だ。
中国政府も投資資金の海外流出を懸念して数多くの株価対策を打ち出し、漸く効果が出てきた。最近では中国の証券監督当局が世界金融センターとしての香港の地位を促進する方針を示した。
チャートは上海総合指数とハンセン指数の回復ぶりを示す。
*上海総合指数
*香港ハンセン
(4月の各種PMIは)
製造業50.4(3月は50.8)
非製造業51.2(同53.0)
総合51.7(同52.7)
財新製造業51.4(同51.1)
財新サービス業52.5(同52.7)
財新総合52.8(同52.7)
*政府版は若干減速、ただいずれも50以上を維持)
(今週の注目指標、貿易は回復するか)
今週の注目指標は4月貿易収支で767億ドルの黒字予想(3月は585.5億ドルの黒字)。輸出は前年比で1%増、輸入は5.4%増の予想(3月はそれぞれ7.5%減、1.9%減)
(中国主席、5年ぶり訪欧)
中国の習近平国家主席は5月5日、フランスのパリに到着。5年ぶりの欧州訪問となる。
習国家主席は声明で、中仏関係は「異なる社会システムを持つ国同士の平和的共存とウィンウィンの協力という国際社会のモデルだ」と称賛した。
マクロン大統領氏は習国家主席に対し、貿易不均衡を是正するとともに、ウクライナ侵攻を続けるロシアに影響力を行使するよう求めた。
ただフランスは中国の電気自動車(EV)輸出を巡るEU調査を支持している。
テクニカル分析(人民元/円)
日銀介入で下落もボリバン中位を越えて回復途上
日足、4月29日からの介入騒動で下落もボリバン中位を再び越えてきた。5月6日-8日の上昇ラインがサポート。4月29日-5月8日の下降ラインが上値抵抗。5日線も反転上向きに。20日線は変わらず上向き。
週足、7週連続陽線を円買い介入で先週は陰転するも、2σ上限にも近い。今週は再び反発、ボリバン上位のまま。2σ上限にも近い。3月11週-5月6日週の上昇ラインがサポート。
月足、4か月連続陽線。4月はここまで介入もあり陰線だが下ヒゲが伸びてきた。3月-4月の上昇ラインがサポート。
年足、4年連続陽線。22年-23年の上昇ラインがサポート。一時1993年以来の22円台のせ。
チーファンラマ
米中関係
*中国のTSMC掌握、米経済に「間違いなく壊滅的」=商務長官
レモンド米商務長官は、中国が台湾に侵攻し半導体受託生産大手のTSMCを掌握すれば、米経済にとって「間違いなく壊滅的な」ものになると、米下院公聴会で述べた。
米国は現在、最先端半導体の92%を台湾のTSMCから購入している。
*インテルとクアルコム、米の対中輸出許可取り消し確認 中国は反発
米商務省が中国顧客企業に対する消費者関連製品の輸出許可を一部取り消した。 中国外務省は、「米国は国家安全保障の概念を拡大解釈し、正当な理由なく中国企業を抑圧するために輸出規制を乱用している」とした。