資生堂の1〜3月は約32億円の最終赤字 早期退職に関する費用約180億円が響く
資生堂(撮影:セブツー)

資生堂は5月10日、2024年12月期の第1四半期決算を発表した。売上高は2494億5300万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は87億4500万円の赤字(前年は105億2500万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は32億8600円の赤字(前年は86億8000万円)だった。

資生堂は今年2月、関連子会社である資生堂ジャパンの従業員を対象に、約1500名の早期退職者を募集したが、この人員整理に関する構造改革費用として約180億円を計上したことが四半期利益に影響した。

地域別の売上高は、日本国内が735億7300円(前年同期比19.3%増)、米国が318億200万円(同22.4%増)、欧州が347億6500万円(同25.2%増)、中国が554億7500万円(同4.2%増)だった。日本国内ではコアブランドの力強い成長を実現し、米国と欧州では継続的な好調を維持した。

原子力発電所の処理水海洋放出による不買運動問題の影響を受け、中国では今期も減収となったが、「クレ・ド・ポー・ボーテ(Clé de Peau Beauté)」と「ナーズ(NARS)」の成長に牽引されマイナス幅は縮小傾向にある。また、「国際女性デー」にちなんで中国で祝われる「婦人節」にあわせたEコマースのプロモーションは、TikTokに牽引され大きく伸長した。

ブランド別売上高を見ると、「クレ・ド・ポー・ボーテ」が前年同期比7%増、「ドランク・エレファント(Drunk Elephant)」が同30%増、その他フレグランスブランドも同21%増と特に大きな成長を見せた一方、「シセイドウ(SHISEIDO)」は同5%減、「イプサ(IPSA)」が同22%減だった。