メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「高値更新して一服、山なり、米ドルに押される」メキシコペソ見通し

予想レンジ 9.1-9.6

 (ポイント) 
*年間首位堅持
*5月17日から3日連続年初来高値更新し一服
*ペソの買い要因、売り要因は
*中銀は6月利下げ議論開始示唆も、5月前半消費者物価は高止まり
*メキシコへの海外からの直接投資が大幅増加
*次期政権の財政赤字拡大が格付けリスク
*メキシコ大統領選、与党シェインバウム氏がリード
*米国の対中関税引き上げはメキシコにどう影響するか
*最近はやや経済指標は弱いが、ニアショアリングは健在
*郷里送金も水準が高い
*米国向け輸出は1Qも世界一
*サムライ債発行予定、為替はどうなる
*IMFに下方修正されたGDPが重し
*USMCAでの為替介入は原則なし
*失業率は大幅改善
*フィッチ、メキシコの2024年の成長予測を2.2%に下方修正
*政府の24年成長見通しは2.5-3.5%
*トランプ大統領が誕生すればメキシコに一波乱あり

(3日連続年初来高値更新) 
 ペソ円はさらに伸びて5月21日に9.455をつけ3日連続年初来高値更新。5月月間はここまで3位、年間首位堅持。ロドリゲス中銀総裁の「6月利下げ議論開始」発言で下げるも、米国4月CPIの鈍化で再び反発した。ボルサ株価指数は年初来0.97%安と冴えない。10年国債利回りは10.06%。

(5月前半消費者物価は高止まり)
 ロドリゲス中銀総裁は6月金融政策決定会合で利下げの議論の開始を示唆した(前号に詳細既述)。ただ5月前半の消費者物価はまだ下がり切っていない。

 5月前半4.78%(前月4.63%、予想4.78%)
 コア4.31%(同4.39%、4.31%)

(メキシコへの海外からの直接投資が大幅増加)
 2024年1Qの海外からの直接投資 (FDI)は203.1億ドル。これは記録が残ってものでは1Qの最大の額だ。これは昨年同期より9%増加、AMLO大統領以前の2018年1Qの95.2億ドルの2倍以上となっている。

(次期政権の財政赤字拡大が格付けリスク=フィッチ幹部)
フィッチは6月2日のメキシコ大統領選で生まれる次期政権について、財政赤字の拡大による公的債務拡大を含め、ソブリン信用格付けを巡る3つの主要リスクを指摘した。
残り2つのリスクとして、経済成長を損なう政策が行われる可能性と、統治体制と法の支配が劣化する可能性を挙げた。
ロペスオブラドール大統領は任期最初の5年間に財政規律を守る政策を行ったが、6年目の今年は財政赤字の対GDP比率が、昨年と一昨年の4.3%から5.9%に拡大する見通しとなっている。
フィッチは「長期的なリスクをもたらしかねない相当に高水準の赤字だ。次期政権であと数年間この状態が続けば、間違いなく信用に悪影響を及ぼす」と述べた。
ただ、ロペスオブラドール大統領が看板政策として進めた製油所建設などインフラプロジェクトの支出が終結するのに伴い、財政赤字の拡大も一過性に終わるだろうとも指摘した。

(他の経済指標、減速気味)
 3月小売売上は前年比1.7%減少(前月は3%増)、3月鉱工業生産は3%減少(同3.3%増)と1Q・GDP最終値は1.6%増(前年比1.6%増、前期は2.5%増)とともにやや弱かった。
3月経済活動指数は前年比-1.3%と弱かった。前月は4.4%増

今日は、4月貿易収支、1Q経常収支、中銀議事録の発表がある。

(メキシコペソの買い要因、売り要因)
(買い材料)
*ニアショアリング *郷里送金 *高金利
(売り材料)
*利下げ観測(米国とのバランスあり) *景気減速 *財政赤字
(波乱)
*トランプ大統領誕生の場合

テクニカル分析

3日連続年初来高値更新後、一服、山なり

日足、ボリバン2σ下限から上限へ。そして一服。5月15日-16日の上昇ラインがサポート。5月21日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線を上抜く。
週足、4月8日週から陽線、陰線のくり返しだったが5月6日週から2週連続陽線、今週もここまで陽線。ただ上ヒゲが長い。4月15日週-5月6日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限が上値抵抗。5週線、20週線上向き。
 月足、4か月連続陽線、5月もここまで陽線。1月-4月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2024年4月の下降ラインを上抜く。 
年足、23年で3年連続陽線。今年もここまで陽線。14年-22年の下降ラインを上抜く。22年-23年の上昇ラインがサポート。

メキシコペソ見通し
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VAMOS MEXICO

メキシコ大統領選、与党シェインバウム氏がリード

6月2日の大統領選挙が近い。世論調査ではAMLO現大統領の後継者のシェインバウム氏がリードしている。地元紙エコノミスタなどの最新世論調査は、与党・国家再生運動(MORENA)のシェインバウム氏の支持率が56%。有力野党3党の統一候補、ガルベス氏の32%を大きく上回る。新興野党のマイネス氏は11%と低迷する。

 シェインバウム氏が当選すれば、同国初の女性大統領となる。任期は2030年まで。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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