大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングは6月28日、2025年2月期の第1四半期決算(3月1日〜5月31日)を発表した。売上高にあたる売上収益は1014億6900万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は161億3600万円(同58.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は113億1600万円(同76.9%増)と大幅な増収増益だった。
主力の百貨店事業は、売上収益は前年同期比で15.6%増となる626億600万円、営業利益は同130.6%増となる103億8600万円と好調だった。旗艦店である大丸の心斎橋店を始め、大丸の京都店や松坂屋の名古屋店などでインバウンド消費が好調だった。5月に開催した外商顧客に向けた催事は過去最高の売り上げを更新するなど、富裕層の旺盛な需要も獲得した。
百貨店事業における免税売上高は約306億円で、関西地区だけではなく、名古屋、東京、札幌でも2019年度比で大幅に伸長している。大丸の心斎橋店では約134億円の免税売上高で、売り上げのシェアは47%と非常に高い水準だ。
「パルコ(PARCO)」などのショッピングセンター事業は、売上収益は前年同期比11.0%増となる158億6800万円、営業利益は同25.7%増となる39億5000万円で増収増益だった。
J.フロントリテイリングは同日、2025年2月期の通期連結決算の業績予想を修正した。売上収益は4245億円(前年比4.3%増、前回予想は4215億円)、営業利益は415億円(同3.6%減、同375億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は265億円(同11.4%減、同235億円)に修正した。