アダストリアの今期は国内アパレルは好調な滑り出しも中国、米国、タイの海外事業と飲食業のゼットンが営業赤字
中国の「ニコアンド」(画像=「セブツー」より引用)

アダストリアは6月28日、2025年2月期の第1四半期決算(3月1日〜5月31日)を発表した。売上高は740億100万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は60億1400万円(同4.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は44億500万円(同1.3%減)だった。

売上高の8割を占めるアダストリア単体では、売上高は598億1400万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は58億4100万円(同0.9%増)と増収増益だった。昨年度に年間売上高が500億円を達成した主力ブランドの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)の売上高は、前期比5.4%増となる145億7400万円と堅調だった。俳優の宮沢氷魚をアンバサダーに起用して、メンズウェアを強化したのも奏功している。「ニコアンド(niko and …)」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」なども好調を維持した。

ADOORLINKやBUZZWITといった国内子会社の売上高は63億5300万円(同1.5%減)、営業利益は4億1600万円(同4.7%減)だった。なお、「フォーエバー21(FOREVER21)」の運営会社のGate Winは、3月1日にアダストリアが吸収合併し、完全子会社にしている。

香港や中国大陸、台湾などの海外子会社の売上高は60億5300万円(同18.8%増)、営業利益は3100万円(同77.3%減)となり、営業利益が大幅に減少した。なお、海外事業の第1四半期は1月から3月の期間となる。香港と台湾は黒字を確保できているが、中国大陸は1億9400万円の営業赤字、タイは3100万円の営業赤字、米国は1億3400万円の営業赤字と苦戦している。アダストリアは4月1日にフィリピンに現地法人を設立し、2025年中に1号店を出店予定で、東南アジアでの事業を推進していく考えだ。

飲食業を手掛けるゼットンは、売上高は29億8500万円(同17.7%増)、営業利益は3億500万円の赤字(前年は1億1700万円の赤字)だった。5月末の時点で74店舗を展開しているが、第1四半期に4店舗を新規出店(退店は1店舗)した費用や人件費がかさんだ。

通期の業績予想に変更はない。売上高は2900億円(前年比5.2%増)、営業利益は190億円(同5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は127億円(同6.0%減)を見込む。