ゴールドウインは7月3日、2025年3月期から2029年3月期までの5カ年の中期経営計画を発表した。ゴールドウインの2024年3月期の売上高は1269億700万円(前年比10.3%増)で、5年後の2029年3月期には49%増となる1885億円を目指す。
計画達成には、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と自社ブランドの「ゴールドウイン(Goldwin)」のさらなる成長が欠かせない。
まず、直近の10年間で売上高が約5倍にまで成長している「ザ・ノース・フェイス」は、2024年3月期の売上高約975億円から2029年3月期に1280億円を目指す。
「ザ・ノース・フェイス」は、2018年春夏から4シーズンにわたって「ハイク(HYKE)」とコラボプロジェクトを展開し、2021年には「グッチ(GUCCI)」ともコラボレーションし、大きな話題になったが、ゴールドウインはもの作りに対する姿勢をなによりも重視している。
ゴールドウインの渡辺貴生社長は「ブームによって売り上げを牽引するのではなく、圧倒的な独自性をもったもの作り」の重要性を語っており、シューズやパフォーマンス分野での開発など、もの作りへの取り組みをさらに強化していく考えだ。
「ゴールドウイン」は、2029年3月期に2024年3月期から6倍以上となる売上高200億円を目標にしており、さらに2033年3月期で500億円の売上高を目指している。キーになるのは海外展開だ。日本では15店舗まで店舗数を拡大して100億円を目指す一方、中国本土を中心にしたアジア展開に軸足を置く考えだ。
中国では今年4月に現地のパートナーと合弁会社を設立して、北京に1号店を出店している。中国は世界第2位のファッション市場の規模で、スポーツ・ライフスタイルの需要も今後増加が見込まれている。ゴールドウインは中国事業の経験者の採用を強化しており、目標年度までに70店舗体制にまで拡大し、売上高300億円を目指す。
韓国では、「ザ・ノース・フェイス」でパートナーシップを結んでいるヤングワンホールディングス(Youngone Holdings)と今年10月に合弁会社を設立し、「ゴールドウイン」の事業拡大を目指す。「ザ・ノース・フェイス」が韓国のスポーツウェア市場で「アディダス(adidas)」やニューバランス(New Balance)」を抑えて第2位のシェアを獲得しており、ヤングワンホールディングスと長年培ってきたノウハウを「ゴールドウイン」でも展開することで売上高60億円を目指す。
2033年3月期までに欧州はロンドン、シャモニー、パリの3店舗体制で20億円、北米はニューヨーク、アスペンの2店舗で12億円、アジアの他の国では事業展開は未着手だが8億円の売上高を目指す。