主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):FRB議長 上院銀行委員会で証言
▼9日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:約38年ぶりの高値が視野に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場
(1):FRB議長 上院銀行委員会で証言
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院議会証言で米経済は「もはや過熱した状態ではない」と述べ、利下げを視野に入れていることをあらためて示唆した。その上で、「金融引き締めの縮小が遅すぎたり少なすぎたりすれば、経済活動や雇用を不当に弱める可能性がある」との見解を示した一方で、「利下げが早過ぎたり、多過ぎたりした場合は、インフレ面での進展が失速または反転しかねない」として利下げの開始時期に関する言及は避けた。議長の証言は新味に乏しかったとして米債市場の反応は限定的だったが、為替市場は「警戒したほどハト派的ではなかった」と受け止めた模様でドルを買い戻す動きが優勢となった。
9日(火)の株・債券・商品市場
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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:約38年ぶりの高値が視野に
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で利下げに関する明確なシグナルを示さなかった。証言は新味に乏しい内容だったが、市場は警戒したほどハト派的ではなかったと受け止めた模様で一時161.51円前後までドル高・円安に振れた。パウエル議長は本日も下院で議会証言を行うが、「今日この場で金利に関する今後の行動の時期についていかなるシグナルも送るつもりはない」と言明した昨日の姿勢を変える公算は小さい。証言後の質疑応答でも目新しい発言がなければ、市場の関心は明日11日の米6月消費者物価指数(CPI)に向かうことになりそうだ。ドル/円は今月3日に付けた約38年ぶりの高値161.95円前後が視野に入っているが、本日については米CPI待ちで更新は難しいだろう。