セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイHD)は7月11日、2025年2月期の第1四半期決算(3月1日〜5月31日)を発表した。売上高にあたる売上収益は2兆7347億円(前年同期比3.2%増)、営業利益は593億円(同27.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は213億円(同49.3%減)と、増収減益だった。
セブン&アイHDは、ニッセンホールディングスの株式譲渡に伴う損失や台風による災害の影響で175億円を特別損失として計上、海外事業も不振だったことから、最終利益は前年から半減した。第1四半期決算を発表した7月11日の終値が1940円だったセブン&アイHDの株価は、翌12日には1814円で取り引きを終え、前日比6.49%マイナスと大幅下落している。
主力である「セブンイレブン(SEVEN‐ELEVEN)」の事業が国内外ともに不振で、特の営業収益の約7割を占める海外が苦戦している。国内のコンビニエンスストア事業は、営業収益は2249億円(前年同期比1.8%減)、営業利益は612億円(同4.4%減)と減収減益だった。海外のコンビニエンスストア事業は、営業収益は2兆294億円(前年同期比6.8%増)、営業利益は44億円(同78.7%減)と増収減益となり、営業利益は前年同期から約8割減った。
セブン&アイHDは、「食」を中心にしたリテールグループ化を目指しているが、下期に向けてエナジードリンクやアルコール、スナック菓子など利益率の高いプライベートブランドをさらに強化していくことで海外事業を梃入れする。新たに215のオリジナル商品を追加し、店内で焼き上げるベーカリーも展開店舗を増やしていく。
また、好調なデリバリーサービス「7NOW(セブンナウ)」を拡大していく。「7NOW」は「セブンイレブン」の商品を30分以内に配達するサービスで、米国の95%以上の商圏をカバーしている。「7NOW」は日本でも好調で、現在は首都圏や北海道、九州で展開しているが、今期中に全国に拡大する。
セブン&アイ・ホールディングスの2025年2月期の連結業績予想は、売上収益は11兆2460億円(前年比2.0%減)、営業利益は5450億円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2930億円(同30.4%増)と据え置いている。