主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年8月2日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日(木)の為替相場
(1):財新製造業PMI 9カ月ぶりに不況を示す
(2):BOE利下げ実施
(3):新規失業保険申請件数は予想以上に増加
(4):ISM製造業 8カ月ぶり水準に低下
▼1日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米雇用統計次第で大きく上下/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日(木)の為替相場
期間:1日(木)午前6時10分~2日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):財新製造業PMI 9カ月ぶりに不況を示す
豪6月貿易収支は55.89億豪ドルの黒字と、黒字額は市場予想(50.00億豪ドル)を上回った。輸出が前月比+1.7%の437.65億豪ドル、輸入は前月比+0.5%の381.76億豪ドルだった。続いて発表された中国7月財新製造業PMIは49.8と市場予想(51.5)を下回り、9カ月ぶりに分岐点の50.0を割り込んだ。
(2):BOE利下げ実施
英中銀(BOE)は大方の予想通りに政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。声明では「インフレが低水準にとどまる事を確認し、早すぎたり幅が大きすぎる利下げにならないよう注意する必要がある」と慎重に利下げを進める姿勢を示した。同時に公表した議事録では、利下げが賛成5、反対(据え置き支持)4の僅差で決定したことも明らかになった。また、BOEは四半期に一度の金融政策報告書で今後3年間のインフレ見通しを引き下げた。
(3):新規失業保険申請件数は予想以上に増加
米新規失業保険申請件数は24.9万件と市場予想(23.6万件)を上回り、前週の23.5万件から増加した。また、米4-6月期単位労働コスト(人件費)は前期比+0.9%と市場予想(+1.7%)を下回り、1-3月期の+3.8%から大幅に伸びが鈍化した。
(4):ISM製造業 8カ月ぶり水準に低下
米7月ISM製造業景況指数は46.8と市場予想(48.8)を下回り、8カ月ぶりの水準に低下した。内訳の仕入価格指数は上昇したが、新規受注指数と雇用指数は前回から低下した。これを受けて米国株が下落に転じ、米長期金利は下げ幅を拡大。為替市場では円が全面的に上昇した。