21年連続でベースアップを実現しているニトリHDの第1四半期は242億円の最終利益
(画像=「セブツー」より引用)

「ニトリ(NITORI)」を展開するニトリホールディングス(以下、ニトリHD)は8月7日、2025年3月期の第1四半期決算(4月1日〜6月30日)を発表した。売上高は2328億1900万円(前年同期比6.6%増)、営業利益は344億8800万円(同4.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は242億1300万円(同5.7%増)と増収増益だった。

主力のニトリ事業を見てみる。売上高は前期比7.3%増となる2041億6600万円、営業利益は同6.0%増となる336億600万円と増収増益を達成している。電動のリクライニングソファやキッチン用品のスライサーセット、リビングダイニングのテーブルセットなどの売り上げが好調だった。また、顧客参加型のライブコマース「ニトリLIVE」の配信回数を前年から大幅に増やしたことで、資料者数が90万人から213万人にまで伸び、ECサイトでの売り上げに貢献した。

ニトリ事業の海外展開は、同期間に台湾に2店舗、中国本土に8店舗、韓国に2店舗、ベトナムに1店舗、フィリピンは初出店となる1号店を出店し、6月末時点で190店舗となった。中国での出店は100店舗目となる。ニトリHDは、2023年4月までに米国事業から撤退しているが、今後有望な市場と捉えている東アジアと東南アジアへの出店を強化している。

家具・ホームセンターの島忠事業は、売上高は313億3220万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は7億1800万円(同35.7%減)と増収減益だった。スポーツタイプの自転車を始め、衣料品などプライベートブランドの商品開発を進めており売上高は好調だったものの、営業利益が前年同期から35.7%減となった。

ニトリHDは21年連続でベースアップを実現しており、従業員の6%以上の賃金改定に伴う人件費の増加などにより販売費および一般管理費が増加しているが、物流のさらなる内製化などで経費を抑制していく。

ニトリHDの2025年3月期の通期業績予想は、売上高は9600億円(前年比7.2%増)、営業利益は1296億円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は920億円(同6.3%増)としている。