主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年8月15日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(水)の為替相場
(1):RBNZ予想外の利下げ
(2):英サービスCPIが予想以上に伸びが鈍化
(3):ユーロ圏GDPは速報値と変わらず
(4):米CPI3年4カ月ぶりの水準まで低下
▼14日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:もみ合いから抜け出せるか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(水)の為替相場
期間:14日(水)午前6時10分~15日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBNZ予想外の利下げ
NZ中銀(RBNZ)が予想外の利下げを発表。内外金利差縮小の思惑からNZドル以外の通貨に対しても円を買い戻す動きが広がった。日本株が一時下げに転じたことも円買いを後押し。岸田首相が9月の自民党総裁選への不出馬を決めたことによる政治への不透明感から株売り・円買いが出たとの見方もあった。
(2):英サービスCPIが予想以上に伸びが鈍化
英7月消費者物価指数(CPI)は前月比-0.2%、前年比+2.2%と市場予想(-0.1%、+2.3%)を下回った。エネルギーや食品などを除いたコアCPIは前年比+3.3%と予想(+3.4%)を下回り、英中銀(BOE)が注目するサービスCPIも前年比+5.2%と予想以上に伸びが鈍化した(予想+5.5%、前回+5.7%)。
(3):ユーロ圏GDPは速報値と変わらず
ユーロ圏4-6月期域内総生産(GDP)・改定値は前期比+0.3%と予想通りで、速報値からの修正もなかった。同時に発表されたユーロ圏6月鉱工業生産は前月比-0.1%と市場予想(+0.5%)に反してマイナスとなった。
(4):米CPI3年4カ月ぶりの水準まで低下
米7月CPIは前月比+0.2%と予想通りだった一方、前年比では+2.9%と市場予想(+3.0%)を下回った。前年比の伸び率が2%台に収束したのは2021年3月以来3年4カ月ぶり。食品とエネルギーを除いた7月のコアCPIは前年比+3.2%と予想通りに前回(+3.3%)から伸びが鈍化した。ドル/円は146円台半ばへと売りが先行したが、概ね予想通りの結果であり9月の利下げを巡る思惑に大きな変化は生じなかったため買い戻しが入り、147円台半ばまで反発した。