主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年8月26日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(金)の為替相場
(1):本邦CPI コアベースは伸びが加速
(2):日銀総裁 金融政策正常化方針をあらためて示す
(3):FRB議長 9月利下げ開始を事実上宣言
(4):BOE総裁「勝利宣言は時期尚早」
▼23日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルが売られやすく円が買われやすい状況/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(金)の為替相場
期間:23日(金)午前6時10分~24日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPI コアベースは伸びが加速
日本7月消費者物価指数(CPI)は、日銀が重視する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.7%と6月の+2.6%から伸びが加速した。一方、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+1.9%と2022年9月以来の2%割れとなった。いずれも伸び率は予想通りだった。
(2):日銀総裁 金融政策正常化方針をあらためて示す
日銀の植田総裁は衆院の閉会中審査で「経済・物価見通しの実現の確度が高まれば緩和度合いを調整する」などと述べて金融政策を正常化する方針をあらためて示した。今月7日に内田副総裁が「市場が不安定な時に利上げしない」と発言したことでくすぶっていた日銀の利上げ休止観測がやや後退したため円買いが優勢となった。
(3):FRB議長 9月利下げ開始を事実上宣言
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議で講演。「政策を調整すべき時が来た」「インフレが2%に戻る持続可能な道筋をたどっていると確信を深めている」「労働市場の減速は明白だ」「労働市場のさらなる減速は歓迎しない」などと述べて事実上、9月の利下げ開始を宣言した。利下げのタイミングとペースについては「今後発表されるデータや見通し、リスクのバランスに依存する」として明言を避けたが、市場は9月の利下げ幅が25bp(0.25%ポイント)ではなく50bpになる可能性が上昇したと見てドル売りに傾いた。
(4):BOE総裁「勝利宣言は時期尚早」
英中銀(BOE)のベイリー総裁はジャクソンホール会議で「1年前に予想したよりも低い水準にある」と指摘。高金利が経済に与える悪影響は「過去よりも抑えられる可能性がある」とした。一方で「勝利を宣言するのは時期尚早だ」とも述べた。