南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「年間2位、停電解消で成長促進か。来週GDP発表」南アランド見通し

「通貨2位、株価11位」
「予想レンジ 南アランド円7.9-8.4」

(ポイント)
*南アランドは年間2位と強い
*停電は終わりに近づいている
*停電が解除されれば成長力は増加か
*今週は中国・アフリカ協力フォーラムに南アも参加する
*消費者物価と生産者物価低下
*貿易黒字は6か月連続の黒字
*来週は2Q・GDP
*今週は中国・アフリカ協力フォーラム
*企業景況感が改善
*小売売上も好調
*雇用を除く経済指標は強い
*債券市場に海外資金が流入
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も

(南アランド。2位堅持) 
 南アランドは年間2位を堅持。南ア全株指数は年初来8.92%高。10年国債利回りは、今後の利下げ観測もあり、今年のピークの11%から現在は9.2%まで低下している。
 8月の月足は下ヒゲが長く買い圧力を示す。

(停電は終わりに近づいている)
 南アの国営電力エスコム社は、少なくとも今後数カ月は電力不足を回避できると予想している。エスコム社は、経営不安と汚職に対処しながら老朽化した発電所群を維持できなかったため、記録的な停電が発生し、昨年を通じて経済を圧迫した。しかし同社は継続的な修理と取り組みにより、3月に全国的な停電を中止することができた。
 「石炭火力発電所の業績に構造的な変化があったと自信を持って言えるところまで来ている」とエスコムのマロケーン最高経営責任者は述べ、従業員の士気も向上していると指摘した。これからの夏季の数か月間は停電を回避できるという。

(経済再建で5%成長)
 来日中の南アのラモラ外相は、電力不足やインフレで低迷する南ア経済について「新たに発足した連立政権は経済再建に取り組んでおり、数年以内に5%成長が可能になる」と自信を示した。
 南アのGDP成長率は23年に0.6%と伸び悩んでいる。「電力不足の問題に加え、物流のボトルネックも解消しつつある。24年の成長率は1.2%と予測されているが、経済・生産環境の好転でおそらく2%を超えてくるだろう」と述べた。さらに「経済活動が上向けば失業問題の解消が見え始める。インフレを管理可能な水準に維持すれば、数年以内に5%成長を達成できる」との考えを示した(日経新聞社インタビュー)。

(生産者物価低下、貿易黒字は6か月連続の黒字)
*7月生産者物価は前年比4.2%上昇、前月の4.6%から低下し、4.5%の予測を下回った。これは昨年7月以来の最低値であり、特にコークス、石油、化学、ゴム、プラスチック製品食品、飲料、タバコ製品が低下した。

*7月貿易収支は176億ランドの貿易、6か月連続の黒字。前月は242億ランドの黒字。輸入は1か月間で6.6%増加して1574億ランド。輸出は1.8%の伸びにとどまり1750億ランド。

(来週は2Q・GDP)
来週は8月製造業PMI、3Q企業信頼感、2Q・GDP、2Q経常収支などがある。電力回復が2Q・GDPの改善に繋がるかどうか。

(中国・アフリカ協力フォーラム)
 ラマポーザ大統領は、今週、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)サミットに出席する。