主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼6日(金)の為替相場
(1):独鉱工業生産は予想以上の落ち込み
(2):米雇用統計でドル円乱高下
(3):米景気先行きに不透明感
(4):FRB理事「利下げ規模はオープンマインド」
▼6日(金)の株・債券・商品市場
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6日(金)の為替相場
期間:6日(金)午前6時10分~7日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独鉱工業生産は予想以上の落ち込み
独7月鉱工業生産は前月比-2.4%と市場予想(-0.5%)以上の落ち込みとなった。自動車生産が-8.1%の大幅減となり全体を圧迫した。同時に発表された独7月貿易収支は168億ユーロの黒字となり、黒字額は市場予想(209億ユーロ)を下回った。
(2):米雇用統計でドル円乱高下
米8月雇用統計で、非農業部門雇用者数は14.2万人増と市場予想(16.5万人増)を下回った。前月の雇用者数は11.4万人増から8.9万人増に下方修正された。8月失業率は4.2%と市場予想通りに前月の4.3%から低下。同平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.8%といずれも市場予想(+0.3%、+3.7%)を上回った。まちまちの結果にドルは乱高下。9月の利下げ幅を巡る市場の織り込みも25bp(0.25%ポイント)か50bpかで大きく揺れ動いた。
(3):米景気先行きに不透明感
小じっかりで始まった米国株が下げに転じ、原油価格も下落。米8月雇用統計で雇用者数の伸びが鈍かったことから米国景気の先行きに対する不透明感が広がった。これを受けて円買いの動きが強まった。
(4):FRB理事「利下げ規模はオープンマインド」
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は「この3日間で得られたデータは、労働市場は引き続き軟化しているが悪化はしていないことを示している。この判断は次の連邦公開市場委員会(FOMC)で重要なものになる」と発言。「一連の利下げが適切になる可能性は高い」としつつ、「引き下げの規模やペースについてはオープンマインドだ」と述べた。これより前に講演したNY連銀のウィリアムズ総裁も「利下げが適切になった」との見解を示したが、利下げのペースや幅については明示しなかった。なお、ウィリアムズ総裁はこの日の雇用統計について「減速する経済と労働市場の冷え込みという、これまでに見てきた現象と整合する」との認識を示した。