バングラデッシュの政変で島精機製作所の第2四半期は黒字見込みから一転、22億円の最終赤字へ
(画像=「セブツー」より引用)

島精機製作所は9月20日、2025年3月期の第2四半期累計の業績予想の修正を発表した。売上高は149億円(前回発表は210億円)、営業利益は21億円の赤字(同5億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億5000万円の赤字(同5億円)に下方修正した。5億円の黒字予想から一転、22億円以上の最終赤字となる見込み。

主力である中国市場での景気回復の遅れから、ホールガーメント横編機などの需要が回復しておらず、イタリア市場でも景気減速や暖冬などの影響から、設備投資への需要が減退している。

さらに深刻なのはバングラデシュでの政変の影響だ。第2四半期にバングラデシュの大手顧客からの大口発注を見込んでいたが、政変混乱によって設備投資時期が未定となり、受注を逃した。バングラデシュでは7月下旬から8月にかけて、学生らを中心とするデモ隊と警察が衝突し、8月5日にはハシナ首相が辞任し国外退去している。暫定政権が発足したものの、予断を許さない状況が続いている。

バングラデシュでのこうした状況から、現地の事業環境は一段と厳しくなる恐れがある。島精機製作所は、2025年3月期通期の業績予想については、現時点で先行きの不透明感が強く、業績への影響を合理的に算定することが困難であることから、前回予想を据え置くとしている。