南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「ランド年間最強を維持。来年の経済成長が加速見通し」南アランド見通し

「通貨首位、株価12位」
「予想レンジ 南アランド円8.3-8.8」

(ポイント)
*南アは年間首位を維持
*ラマポーザ大統領がGNUを世界に売り込む
*来年は経済成長が加速する
*9月PMI堅調
*米国と南アの関係は
*資源高もランドを支える
*南ア中銀は策金利を引き下げ
*8月の消費者物価は低下
*連立政権崩壊は当面、避けられるようだ
*マスク氏のスターリンクサービスを開始か
*格付けを「BB-」に据え置き、見通しは「安定」
*2Q・GDPはプラ転も期待を下回る
*債券市場に海外資金が流入
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も

(南アは年間首位を維持)
 南アランドは年間首位を維持。円との差も前週の8.05%から10.39%に拡げた。株価指数は年初来8.37%高、10年国債利回りは9.21%。このところの金、銀、白金、パラジウムなどの南ア産出の資源価格が米金利低下観測もあり上昇していることも南アランドを支えている。

(来年は経済成長が加速する)
マシャティル副大統領は、生産量を減少させる停電から回復し、新連立政権がインフラ投資に注力するため、来年は経済成長が加速すると予想されると述べた。「来年までに1.5%程度の成長が可能になると考えている」と語った。これは過去10年間の平均成長率1%未満と比較すると大きい。
「我々はより多くの資源を経済活動に振り向けている。特にインフラ投資、新しい道路、ダム、新しい鉄道路線の建設を通じて経済を成長させたいと考えている」と今週英国で投資家向けロードショーを率いる副大統領は語った。

(ラマポーザ大統領がGNUを世界に売り込む)
ラマポーザ大統領は政府代表団を率いて米国を訪問し、今回の訪問で世界の指導者たちに国民統一政府(GNU)を紹介した。また、この機会を利用して、南アが経済回復と構造改革に再び重点を置いており、それが同国への新たな重要な投資を促進していることをアピールした。
ラマポーザ大統領は、GNU結成以来初めて9月24日に国連総会で演説し、南アにおける新たな楽観主義のメッセージを伝えた。

(9月PMI堅調)
S&Pグローバルの購買担当者景気指数(PMI)は51.0と8月の50.5から上昇し、好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で上回った。
 ビジネス活動の増加とインフレ圧力の大幅な緩和で民間部門の成長が加速。2年余ぶりの高水準になった昨年8月に並んだ。
 ビジネス活動の増加は主に新規受注の伸びによるもので、特に卸売と小売部門が好調だった。インフレ圧力は大幅に緩和。ランドが対ドルで上昇したことで輸入コストが縮小した。
 ただ、卸売・小売部門が伸びた一方、工業、建設、サービスなど他の部門は小幅な減少となった。また、国内港湾における遅延など、企業は引き続きサプライチェーン(供給網)の問題に直面しているという。