レクサスの新しいフラッグシップとして生まれた「LM」。その走りは、どのようなものなのでしょうか? 4人乗り仕様である「LM500hEXECUTIVE」を借り出して、試乗してみました。その印象を紹介します。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK

ディティールのこだわりが強い印象を生み出す

ハンドル2
(画像=「Car Me」より引用)

「LM」の運転席に座って、すぐに気づいたのは「操作系で困らない」ということでした。操作系の配置などが、トヨタの最新モデルと共通になっていますので、他のレクサスや、新しい「クラウン」シリーズに乗ったことのある人であれば、違和感なく、すぐに運転ができるはずです。

フロント
(画像=「Car Me」より引用)

ただし、運転席まわりのインテリアのしつらえの良さや質感は、さすが「レクサスのフラッグシップ」と名乗るだけの高さがあります。パネル同士のチリもきれいに揃っていますし、矢羽根をモチーフにした杢目パネルをはじめ、細かな部分ひとつひとつが非常に美しい仕上がりになっています。ディティールへのこだわりを見るたびに、「LM」が“高級車”であることを強く実感させてくれます。

運転席と後席を仕切るパーティション

パーテーション1
(画像=「Car Me」より引用)

「LM」の4人乗り仕様の最大の特徴は、運転席のある前席と後部座席をしきるパーティションが存在していることです。パーティションには開閉できる窓が備わっています。窓を開けたまま走行すれば、後席の人と会話することもできますし、斜め後ろを走行中に目視で確認することもできます。

パーテーション
(画像=「Car Me」より引用)

ところが、パーティションの窓を閉めると状況は一変します。後席の人と会話することは、ほぼ不可能になります。窓は、透明とスモーク状態に変化させることができますが、透明であっても、日中は反射して、後ろがほとんど見えません。スモークにすれば、完全に後ろの席の様子をうかがうことは無理。完全に後席のプライバシーを守ることができるのです。窓を閉めれば、運転する気分は、完全にショーファードリブンの運転手そのものとなります。

レスポンスよく、それでいて雑にならないパワートレイン

運転席
(画像=「Car Me」より引用)

「LM」のパワートレインは、2.4リッターのターボ・エンジンに6速ATフロント用のモーターと後輪用モーターを組み合わせた4WDのハイブリッドです。これは「クラウンクロスオーバーRS」に搭載されているものと同じですが、「LM」の方がよりパワフルなセッティングになっています。走らせてみれば、このパワートレインが非常に気持ちよいのです。

エンジンルーム
(画像=「Car Me」より引用)

わずかなアクセルペダルの操作に対して、しっかりとトルクがついてきて、気持ちよく高回転まで回ってゆきます。また、パドルシフトも用意されているので、まさに意のままにパワーを引き出すことができるのです。そのため、車両重量2460㎏というヘビー級のクルマでありながらも、意のままの加速が楽しめるのです。
また、面白いのは、アクセルとブレーキの雑な操作はスルーしてしまうというところ。意のままの走りと、後席の人を思いやすスムーズな走りを両立しているのが、このパワートレインのすごさと言えるでしょう。

運転の楽しさと乗り心地の良さを両立するシャシー性能

長さ
(画像=「Car Me」より引用)

運転していて、さらに感心したのはシャシー性能の高さです。重心が低く、剛性が高いため、非常に高い安心感が得られます。操舵に対する反応は、おっとりとしているのですけれど、反応が一定で、コントローラブル。姿勢はフラットを保ち、路面からの衝撃は、みごとなまでに、上手にいなします。

マップ
(画像=「Car Me」より引用)

基本的に快適な乗り心地なのですけれど、特別に用意された「リヤコンフォートモード」を使うと、さらに姿勢はフラットになり、後席の乗り心地が向上します。車体の剛性を高めているだけでなく、周波数感応バルブ付きAVSというサスペンションにより、ダンパー特性を変化させて、後席の乗り心地を高めています。

後席の極上の快適性

レクサス
(画像=「Car Me」より引用)

ちなみに筆者は「LM」の運転に専念しましたが、同行した編集者兼カメラマンは、後席で「LM」の走りを体感していました。その人物いわく「座った瞬間から、他とは違う、極上のクルマであることが実感できました。包み込まれるようなシートの座り心地も最高でした。走行中の乗り心地も文句なし。パーソナルな空間であることも素晴らしかった。思わず寝てしまいますね」とか。まさに絶賛という感想でした。