総括
FX「今月は健闘、年間では11位。株は最強、今週は政策金利決定」トルコリラ見通し
(通貨11位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.2-4.7
*政策金利は50%で据え置きか
*今月のリラは健闘、年間では11位。株は最強
*4か月連続経常黒字、源泉はインバウンド
*非居住者の外貨預金増加
*インフレは想定通り低下せず
*G20サミット、トルコがロシアとウクライナ間の停戦提案
*リラ円は11か月以上、4円台で推移
*トルコ中銀、今年末と来年末のインフレ見通し引き上げ
*3Q・GDPは11月29日に発表
*トルコ長期ソブリン格付けを「BB-」に引き上げ
*リラの持続的急騰はないだろう 急騰時にはリラ売り介入あり
*IMFの成長見通しは3.0%、2024年
*BRICS加盟に意欲、中国との経済関係を強めている
*エルドアン大統領、第三次世界大戦に警鐘を鳴らす
(今月は健闘、年間では11位。株は最強)
リラは今月は健闘し月間はここまで2位、ただ昨日は反落した。年間11位(最下位はメキシコ)は変わらない。株価は年初来25.77%高で世界首位、台湾加権、ナスダックと熾烈な首位争い。10年国債は30.26%と高い。
(今週は政策金利決定)
中銀はインフレ抑制が進まないことから今回も50.0%に政策金利を据え置くと見られている。トルコ中銀は11月8日、四半期インフレ報告書で、今年末と来年末時点のインフレ率の見通しを44%と21%とし、前回の38%と14%からいずれも引き上げた。
中銀は1年半前から積極的な利上げを進めているが、インフレの抑制に想定より苦戦している様子が浮き彫りになった。
(9月は経常黒字、4か月連続)
9月経常収支は29.88億ドルの黒字となった。4か月連続の黒字。
貿易赤字が縮小、観光を主とするサービス収支の黒字が拡大した。
(経常収支黒字化の源泉は観光)
トルコ政府は1月から9月までに4,900万人を超える観光客が訪れたことで、年末までの目標を修正した。文化観光省によると、最初の9か月間の訪問者総数は前年同期比8.74%増の4,918万人となった。
政府は2024年末までに全体の数字が6100万人に達すると予想しており、これは以前の6000万人という推定から増加したと述べた。
1月から9月までの期間の外国人観光客はロシアが547万人で最も多く、次いでドイツとイギリスが続いた。
トルコにとって、観光業は外貨獲得のために欠かせない存在。インフレを抑制しながら輸出、生産、投資を優先し、経常収支赤字を黒字に転換することに役立っている。
(非居住者の外貨預金が増加)
トルコ中銀は、9月末で非居住者のトルコリラ預金は同期間比26.8%増加し、192億ドルとなったと発表した。
(シムシェキ財務大臣がインフレを語る)
シムシェキ財務大臣は市場参加者への調査によると、10月の年間インフレ率は48.6%だったが、12カ月後には27.2%に低下すると予想されているとした。
インフレ期待は今後 12 か月間改善し続けたが、他の年限の上昇は限定的だった。長期にわたって大幅に改善しているものの、期待値が一定水準を下回るまでには時間がかかる。
物価安定への道には忍耐と決意が必要だ。私たちはインフレを確実に解消するためのプログラムを引き続き細心の注意を払って実施する。