主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼11日(水)の為替相場
(1):中国 人民元安容認報道
(2):日銀観測報道で円乱高下
(3):米CPIは予想と一致
▼11日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米PPIで一段高の可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(水)の為替相場
期間:11日(水)午前7時10分~12日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国 人民元安容認報道
一部通信社が匿名の関係者の話として、中国が米中第2次貿易戦争への対応として、2025年に人民元の下落を容認することを検討していると報じた。中国人民元安につれて豪ドル/円などクロス円が下落。ドル/円にもやや影響が波及したが、人民元に対するドル高が支えとなり下げ渋った。
(2):日銀観測報道で円乱高下
「日銀の一部の政策委員は12月の会合で利上げが提案された場合、反対しない見通し」と伝わったことが、来週18-19日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ示唆と受け止められ、一時円買いが強まった。ただ同時に「今後発表されるデータや為替相場の動向次第では」と利上げの可能性を残しながらも、「消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が高まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にない」とも伝わり、一転して円売りが強まった。
(3):米CPIは予想と一致
米11月CPIは前月比+0.3%、前年比+2.7%といずれも市場予想通りとなった。また食品とエネルギーを除いたコアCPIも前月比+0.3%、前年比+3.3%とともに市場予想通りだった。総合CPIの前年比の伸びは前月(+2.6%)から加速したが、市場の予想通りだったこともあり、総合CPIの前年比の伸びは前月(+2.6%)から加速したが、市場の予想通りだったこともあり、12月利下げの妨げにはならないと受け止められた。米金利先物で12月利下げの織り込みが98.6%まで上昇する中で一時ドル売りが強まった。その後、インフレが高止まりしていることで来年の利下げペース鈍化が意識されて米10年債利回りが上昇に転じたことから、ドルの下値は限定的だった。