総括
FX「7.5-8.0、24年は3連覇ならず。12月最強は復活の兆し」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.5-8.0
(ポイント)
*メキシコペソ=24年は3連覇ならず。12月最強は復活の兆し
*中銀、経済不安の中、政策金利引き下げ
*S&Pがメキシコの財政運営を評価
*経済指標は まだ弱い
*メキシコ中銀のエコノミスト調査発表
*トランプ次期政権誕生でメキシコの日産は、マツダは?
*年間ではトリプル安。
*メキシコは2年連続で米国の貿易相手国としてトップの座を確保
*メキシコ大統領 フェンタニル“過去最多押収” 取締りアピール
*ペソ安に介入不要、メキシコ中銀ロドリゲス総裁
*司法制度の混乱続く、最高裁判事8名が同時に上院に辞表
*IMF成長見通し下方修正。メキシコ中銀、OECD、世銀に続く
(3連覇ならず。12月最強は復活の兆し)
2022年、2023年とニアショアリングの波にのってメキシコペソは最強通貨の地位を築き上げたが、今年は一転下落、最下位に終わりそうだ。司法制度改革による市場・民主主義の後退懸念で内外から批判が高まっていること、AMLO前大統領の積極財政による財政赤字拡大、トランプ次期大統領の関税引き上げ宣言などでペソは下落した。ただ12月はここまで最強だ。財政難に対しS&Pが前向きな判断を示した(後述)こともある。3つの難題の一つの改善が見られた。来年早々、トランプ次期大統領が打ち出す関税政策、不法移民送還政策を待つしかないが、メキシコも対応準備をしている。米国にも痛手を伴う政策なので交渉がカギとなる。
(メキシコ中銀、経済不安の中、政策金利引き下げ)
メキシコ中銀は政策金利を0.25%引き下げ、10.25%から10%とした。
この全会一致の決定は予想と一致しており、前回の会合に続くものである。中銀は声明の中で、米国の関税がメキシコからの輸入品に及ぼす潜在的な影響を強調し、それが経済予測に不確実性をもたらす可能性があると指摘した。
中銀はデスインフレの進展を認め、今後の会合では慎重な姿勢を維持しながら大幅な利下げを検討する可能性があると示唆した。世界的なショックが続き経済活動の弱体化の影響を考慮すると強調した。
(S&Pがメキシコの財政運営を評価)
S&Pはシェインバウム大統領と会談後、メキシコのソブリン信用格付けを再確認し、経済力の高さを評価した。メキシコの長期外貨建て格付けをBBB、現地通貨建て格付けをBBB+に据え置いた。この決定は、2025年度予算に基づく政府の堅実な財政運営と債務管理を反映している。S&Pは「メキシコの安定した見通しは、慎重な金融政策と低い財政赤字に起因、これらの要因は、国家財政の安定と堅固な対外ポジションの維持に重要な役割を果たしている。経済の課題を乗り切るメキシコの能力は、国際社会からも注目されている」と説明した。
メキシコは2024年も8つの格付け機関から投資適格格付けを維持している。この一貫した実績により、国内市場と国際市場の両方への有利なアクセスが確保される。
世界が不透明な状況にある中、同国が財政規律を堅持していることは、国際金融機関から認められている。この評価は、外国投資を誘致し、経済成長を促進する上で極めて重要だ。
(経済指標は まだ弱い)
10月鉱工業生産は前年比2.2%減で前月の0.3%減から悪化した。
11月消費者信頼感指数は47.7で前月の49.5から悪化した。
10月小売売上は前年比で前年比1.2%減、前月の1.5%減から悪化。
(メキシコ中銀のエコノミスト調査)
メキシコ中銀は、エコノミストの予想として、ペソ対ドルの為替レートが2024年末までに20.24、2025 年末までに20.69 に達するとの調査を発表した。
(年末までの指標)
12月23日に11月貿易収支、10月経済活動指数、12月前半消費者物価などがある。