主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼11日(火)の為替相場
(1):米大統領 鉄鋼・アルミ関税に署名
(2):英MPC委員「現在は状況が違う」
(3):FRB議長 上院で議会証言
▼11日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米コアCPIの結果に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(火)の為替相場
期間:11日(火)午前7時10分~12日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米大統領 鉄鋼・アルミ関税に署名
米国のトランプ大統領は、鉄鋼・アルミニウムの輸入に25%の関税を課す大統領令に署名。3月12日に発効されることになった。トランプ大統領は「すべての国が対象で例外あるいは適用除外は設けない」と述べたが、オーストラリアについては「米国が貿易黒字を計上している数少ない国の一つだ」として適用を除外することも検討していることを明らかにした。
(2):英MPC委員「現在は状況が違う」
英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)メンバーであるマン委員は「需要を巡る状況は以前よりもかなり弱まっている」と述べ、「脆弱な価格決定力がインフレ率の押し下げにつながり、一段の緩和が必要となる可能性を意味する」と指摘した。昨年は、インフレリスクが残っているとして利下げに反対していたが「現在は状況が違う」と述べた。なお、マン委員は先週6日のMPCで50bp(0.50%ポイント)の大幅利下げを主張し、25bp利上げの決定に反対した。その後、BOEのベイリー総裁は「金融政策は国内の状況だけでなく、国際的なリスクや経済動向を考慮する必要」「現在の低成長は金融危機後の長期的な供給力低下に起因し、単純な金融政策の変更だけでは解決が難しい」との見解を示した。
(3):FRB議長 上院で議会証言
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、半期に一度の議会証言(上院)で「政策スタンスは景気抑制の度合いが以前より顕著に弱まっており、経済は強さを維持している。よって政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と利下げを急がない姿勢をあらためて強調した。労働市場については「おおむね均衡が取れている」とし、「顕著なインフレ圧力の要因にはなっていない」との認識を示した。インフレ率については、当局目標の2%を「やや上回っている」とし、インフレ期待に関しては「引き続き十分抑制されているように見受けられる」と語った。