
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年3月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼11日(火)の為替相場
(1):本邦GDPは下方修正
(2):独財政改革案 週内合意へ期待
(3):JOLTS求人件数は増加
(4):米・加報復関税合戦への懸念高まる
(5):ウクライナ停戦へ期待
▼11日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:再び146円台半ばの安値を試す可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(火)の為替相場

期間:11日(火)午前6時10分~12日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦GDPは下方修正
日本10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+2.2%と市場予想や速報値(+2.8%)から下方修正。設備投資が上方修正された一方で、GDPの約6割を占める個人消費が下方修正された。
(2):独財政改革案 週内合意へ期待
ドイツ「緑の党」のブラントナー共同党首は独連邦議会最大勢力のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との間で、防衛費増額を含む財政改革案について、「交渉の用意があり、週内の合意を期待している」と語った。
(3):JOLTS求人件数は増加
米1月JOLTS求人件数は774.0万件と市場予想の760.0万件を上回り、前月(750.8万件)から増加。1月の解雇は163.5万人と前月から3.4万人減少した。
(4):米・加報復関税合戦への懸念高まる
トランプ米大統領は「カナダ産の鉄鋼とアルミニウムに対し50%の関税を課す」と自身のSNSに投稿。米国とカナダの報復関税合戦への懸念から円やドルが買われた。その後、カナダ・オンタリオ州が関税への報復として表明していた米国向けの電力割増料金の発効を停止したことで、カナダへの課税は従来の予定通り25%で本日13時(日本時間)発効されることになった。
(5):ウクライナ停戦へ期待
ウクライナは米国が提示する30日間のロシアとの停戦案を受け入れる用意があると発表。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らいだ。ドイツにおける早期の財政出動をめぐる期待と相まってユーロ/円は1月30日以来の高値となる161.79円前後まで上昇。ドル/円や他のクロス円も強含んだ。