
総括
FX「米中関税交渉が進まなければ、世界は前にも後ろにも行けず」人民元見通し
(通貨10位、株価11位=上海、香港ハンセンは3位)
予想レンジ 人民元/円 19.8-20.3
(ポイント)
*世界が待つ米中首脳会談は
*年間では人民元が10位、ドルが11位、円が3位
*格付け見通し「ネガティブ」維持
*米中関税の現状は
*今週末から5月PMIの発表
*中国工業部門利益が改善
*対米関税交渉は不確定だが、他国へのアプローチは積極的(EU、中東、南米など)
*最優遇貸出金利、昨年10月以来の引き下げ
*香港年金基金に米国債強制売りのリスク
(年間では人民元が10位、ドルが11位、円が3位)
5月月間では人民元が4位、米ドルが8位といつになく乖離している。中国が貿易黒字を背景に関税交渉もあり気を遣っているかもしれない。ただ年間では人民元が10位、ドルが11位とピッタリ寄り添っている。円は3位。
株価ではハンセン指数が強く年初来15.94%高、上海総合指数は0.35%安、日経平均は5.44%安。中国10年国債利回りは1.7%。
(格付け見通し「ネガティブ」維持)
ムーディーズは5月26日、中国の格付け見通し「ネガティブ」を維持した。主要貿易相手国との緊張が信用力に長期的な悪影響を及ぼす可能性があるとした。
格付けはA1。ただ、懸念要因は、これまでの地方政府の債務や国有企業の健全性に関する懸念から通商問題に変化したと指摘した。
(米中関税整理)
5月14日、これまで互いに課していた追加関税を115%引き下げた。米国が引き下げた関税のうち、24%については撤廃ではなく90日間の停止となっていて、両国は今後、アメリカが求める貿易赤字の解消などに向けて協議を進めることになる。
米国のトランプ政権による中国への追加関税は145%から30%に、中国による米国への一律の追加関税は125%から10%になっている。
(米中首脳会談は、未だ開催されず)
トランプ大統領は、米国と中国の関税をめぐる合意について「中国にとってもよりいいものになる。合意できることを願っている」と期待を示していた。
中国との合意の最終調整に向けて習近平国家主席と直接交渉する可能性があるか問われたことに対して「ありえる。必要かどうかは分からないが、英国との間ではそうなった」と述べた。
(今週末から5月PMIの発表)
*政府版(5月31日)
・製造業 予想49.5 前月49.0
・非製造業 予想50.6 前月50.4
*財新版
・製造業(6月3日)予想49.5 前月50.4
・サービス業(6月5日) 予想50.4 前月50.7