
総括
FX「米国流転、メキシコは正攻法で待つ(通貨4位、株価4位)」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.3-7.8
(通貨4位、株価4位)
(ポイント)
*メキシコに繋がりの深いマスク氏退任で米国の政策は流転
*ただメキシコはあくまで正攻法で迎え撃つ
*ペソは年間4位で3位の円に迫る 株価も好調
*今年の成長見通しはフラットに引き下げられたが直近の経済指標はしっかり
*メキシコ、鉄鋼関税巡り米と合意できなければ来週「措置」発表へ
*裁判官選挙、最高裁は与党関係者が支配へ
*USMCA協定で関税打撃が小さい
*USMCAの見直しは秋か
*中銀、今年と来年の成長予想引き下げ
*メキシコ大統領:送金税撤廃へ米国と交渉へ
(マスク氏/トランプ大統領亀裂でメキシコは)
昨年の米大統領選ではマスク氏のトランプ大統領支援からトランプ氏に勢いがつき、メキシコのニアショアリングの勢いが衰えた。マスク氏は予定されていたメキシコへの「ギガファクトリー」建設を中止し「製造業の国内回帰」を標榜するトランプ陣営についた。資金面でも支えたことは記憶に新しい。トランプ支援の選挙民にも100万ドルを数回与えていた。
今回のマスク氏離脱で米墨関係に変化が起きると推測するのはまだ早いか。メキシコはあくまで正攻法で立ち向かうだろう
(ペソは年間4位で3位の円に迫る)
5月のペソは小幅高、6月も小幅高スタート。株は好調。USMCA貿易協定で米国関税の打撃がより小さいからだろう。年初来では4位で0.53%安。ボルサ株価指数は世界4位で年初来16.69%高。10年国債利回りは9.2%。
(直近の経済指標はしっかり)
2025年の成長見通しはほぼフラットに引き下げられているが直近の経済指標はしっかり
*5月企業信頼感指数 49.5 前月48.3
*5月S&P・PMI 46.7 前月44.8
*5月消費者信頼感指数 46.7 前月44.8
ただ4月失業率は悪化
*4月失業率 2.5%、前月2.2%
(メキシコ、鉄鋼関税巡り米と合意できなければ来週「措置」発表へ)
シェインバウム大統領は、鉄鋼・アルミニウム関税を巡り米国と合意できない場合、来週にも「措置」を発表すると表明した。
トランプ大統領は6月3、鉄鋼・アルミニウムの輸入品にかける追加関税を4日から倍の50%に引き上げる文書に署名した。 シェインバウム氏は、米と結んでいる自由貿易協定を引き合いに出し、鉄鋼・アルミ関税引き上げは「不公平な措置」と非難した。
一方、メキシコの対応は「目には目を」ではないとし「復讐や報復ではない。われわれの雇用とビジネスを守るということだ」と述べた。
エブラルド経済相が今週、米政府当局者と会談する予定だという。