外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年6月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉

目次

▼5日(木)の為替相場
(1):日本実質賃金 4カ月連続マイナス
(2):豪貿易収支 トランプ関税の影響
(3):ECB 7会合連続利下げ
(4):米経済指標発表
(5):米中首脳電話会談 関係改善か

▼5日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米雇用統計次第/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

5日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:5日(木)午前6時10分~6日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日本実質賃金 4カ月連続マイナス

日本4月毎月勤労統計で現金給与総額は前年比+2.3%と市場予想(+2.6%)を下回る伸びとなった。一方、前月分は+2.1%から+2.3%へ上方修正された。なお、物価上昇を加味した実質賃金は前年比-1.8%で4カ月連続のマイナスとなった。

(2):豪貿易収支 トランプ関税の影響

豪4月貿易収支は54.13億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(60.00億豪ドル)や前月(68.92億豪ドル)を下回った。トランプ関税の影響により、豪州最大の輸出先である中国での需要が低迷し、輸出が前月から2.4%減少したことが貿易黒字額の縮小につながった。

(3):ECB 7会合連続利下げ

欧州中銀(ECB)は大方の予想通りに政策金利の一つである預金ファシリティ金利を2.25%から2.00%へ引き下げた。利下げは7会合連続となる。声明では「インフレ率は現在、中期目標である2%付近にある」との認識を示した。またその後の記者会見でラガルドECB総裁は「ECBはインフレ対策でかなりうまくやってきた」と評価し、「金融政策サイクルの終わりに差し掛かっている」と述べた。

(4):米経済指標発表

米新規失業保険申請件数は24.7万件と市場予想(23.5万件)に反して前月(23.9万件)から増加し、昨年10月以来の高水準となった。失業保険継続受給者数は前週から0.3万人減少して190.4万人だった。同時に発表された米4月貿易収支は616億ドルの赤字となり、トランプ関税前の駆け込み輸入が増加して過去最大の赤字額を記録した前月(1383億ドルの赤字)から半減した。

(5):米中首脳電話会談 関係改善か

中国の新華社が「トランプ米大統領と習中国国家主席が電話で会談をした」と伝えた。その後、「米中首脳は可及的速やかに新たな交渉ラウンド開始で合意」と伝わった。また、トランプ大統領は自身のSNSに「両国にとって非常に前向きな結論に至った」と投稿したほか、中国を訪問する意向を示した。米中両国の関係改善への期待からドルが買い戻された。