ロイヤリティ展開の中国市場が3年で3倍に急成長 ミズノの第1四半期は海外が好調
(画像=「セブツー」より引用)

スポーツ用品大手のミズノは8月7日、2026年3月期の第1四半期決算を発表した。売上高は635億2800万円(前年同期比4.5%増)と、四半期として過去最高を更新した。一方で、営業利益は62億8100万円(同3.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は48億8300万円(同5.0%減)と、最終利益はわずかに減少した。

売上成長をけん引したのは、欧州・米州・アジアといった海外市場。日本国内では売上高が347億4300万円(同0.2%減)と横ばいにとどまり、営業利益も30億4800万円(同2.6%減)と小幅減益となった。

一方、海外では好調な数値が目立った。欧州では売上高が79億6500万円(同23.0%増)と大幅に伸長し、営業利益も41.0%増の1億1200万円を計上。米州も売上高が118億7300万円(同5.1%増)と過去最高を記録し、営業利益は17億700万円(同1.8%減)だったが、高水準を維持した。アジア・オセアニア地域も堅調で、売上高は89億4500万円(同8.9%増)となったが、営業利益は原価や販売費の増加により11億円(同20.2%減)と減益となった。

中国市場では、2019年からミズノがライセンス方式による現地展開を開始。販売権を中国企業に付与し、ロイヤリティを得るビジネスモデルが奏功している。2021年に62億円だった中国売上は、2024年には191億円まで拡大。今期第1四半期も32.4%増の49億円を売り上げるなど、高成長を続けている。

通期の見通しとして、ミズノは2026年3月期の連結業績予想を据え置き、売上高2600億円(前期比8.2%増)、営業利益225億円(同8.3%増)、当期純利益165億円(同8.2%増)を計画している。

国内市場の停滞を海外の成長でカバーし、グローバル展開が成果を上げつつあるミズノ。コロナ禍以降に構築した新しい流通体制やブランド戦略が浸透してきており、今後は高付加価値商品の展開やeコマース強化によって、さらなる成長が期待される。