南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「8月はここまでトップ、株も強い」南アランド見通し

「通貨5位、株価5位」
「予想レンジ 南アランド円8.1-8.6」

(ポイント)
*ランド急加速で月間首位、株価は21%高
*今年のランドを支えるのは資源価格の上昇
*今週は7月消費者物価
*米国が関税とイスラエル問題で打撃を与える中、南アは中国と貿易関係の深化を狙う
*インフレ目標引き下げへ向っている
*今週は横浜でTICAD
*対米関税交渉は続いている
*G20反米声明採択、南アが議長国のG20財務相・中銀総裁会議
*10月にグレーリストから外れる観測
*米は、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*GNU亀裂問題は続くが修正の兆しも
*S&P、南アの2025年の成長予測を下方修正
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増

(ランド急加速で月間首位、株価は21%高)
 8月1日は米雇用統計悪化で円独歩高で下落もその後は急騰、月間ではここまで首位、年間でも7位から円を抜いて5位へ上昇している。南ア全株価指数は年初来21.23%高。10年国債利回りは9.59%。米国との関税問題などでの不透明さはあるが金など鉱産物価格の上昇が支えている。
 また米国との貿易額減少は中国、EUなどとの取引拡大で相殺しようとしている。

(南アの弱点は雇用)
 2Qの失業率は1Qの32.9%から33.2%に増加。2024年2Q以来の高水準で、失業者数は14万人増加して1年ぶりの高水準となる840万人に達し、就業者数は1万9000人増加して1680万人となった。15歳から24歳の若年失業率は62.2%。

(6月小売売上 今週は消費者物価)
 6月小売売上高は前年比で1.6%増で5月の4.3%増から鈍化した。予想は3.0%増。
今週は7月消費者物価の発表。予想は前年比で3.2%上昇、6月は3.0%。コアは3%上昇の予想、6月は2.9%。

(米国の関税が打撃を与える中、南アは中国と貿易関係の深化を狙う)
 米国による新たな関税発動で。南アからの幅広い輸出品が標的となり、繊維から自動車に至るまでの産業界に懸念が生じている。その中で、中国によるアフリカからの輸入品に対するゼロ関税政策の拡大が重要な代替案となる可能性がある。

 中国政府は米国の措置は自由貿易に対する「不当な戦争」に等しいと述べた。「米国が貿易戦争を仕掛けようとするなら、中国は最後まで戦う。自由貿易はすべての国が守るべき価値のあるものだ。関税は最終的に他の国ではなく、米カ国民が負担することになるだろう」と述べた。

(インフレ目標引き下げへ)
クガニャゴ中銀総裁は、政策当局が今後は3%を目指すと発表した。財務大臣から批判はあったが総裁は「話し合いは継続しており、われわれがお互いを見つけられることに何の疑いもない」と語った。
目標引き下げは物価安定の強化につながるはずだとし、「インフレ期待が徐々に3%という低いインフレ目標に調整されていくにつれ、南アに低金利の時代が到来するだろう」と述べた。
ANC党員の中には、中銀が物価上昇圧力を抑えるために高金利を維持していることを批判する者もおり、それが雇用と経済成長を犠牲にしていると主張している。