この記事は2025年11月14日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:積極財政でグローバルな経済政策の潮流の変化に乗る」を一部編集し、転載したものです。
- 民間の成長投資の拡大には、予見可能性を高める必要がある。まずは、経済規模を持続的に拡大する政府のコミットメントが重要となる。
- グローバルな経済政策の潮流は、市場原理を重視する新自由主義から、経済・社会課題の解決のための官民連携の危機管理投資・成長投資・需要の拡大を重視する新機軸に変化している。
民間の成長投資の拡大には、予見可能性を高める必要がある。まずは、経済規模を持続的に拡大する政府のコミットメントが重要となる。更に、政府の複数年度の予算措置、設備投資の一括償却などの投資促進につながる税制措置の方向性を明確にする。増税などによって、民間の成長投資を抑制することはあってはならない。日銀には、強い経済成長と物価安定の両立を目指した、適切な金融政策を期待する。経済安全保障のディフェンスだけではなく、儲かる成長産業の更なる強化というオフェンスも必要だ。海外売上が半導体の輸出額を上回る成長分野であるコンテンツ産業への支援の予算規模が、中国やフランスの1200億円程度を下回る200億円程度であることは問題である。官民連携の成長投資の激しい競争となっていることは十分に認識すべき。
グローバルな経済政策の潮流は、市場原理を重視する新自由主義から、経済・社会課題の解決のための官民連携の危機管理投資・成長投資・需要の拡大を重視する新機軸に変化している。効率化による量の成長から、社会・経済課題の解決による付加価値型成長へ転換する。積極財政でこの潮流の変化に乗る。将来の震災・有事への備えは、現在の緊縮による資金の確保よりも、将来の供給能力の拡大で対応する。成長投資によって供給能力が拡大すれば、それに見合った需要がなければ民間は収益を上げることができない。家計支援も用意する。強い内需による投資の拡大が、世界共通の課題解決に資する製品・サービス・インフラの国際競争力を強化する。
図:世界的潮流を踏まえた経済政策の転換=「経済産業政策の新機軸」(経産省)
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