ドル/円の見通し:売り買いどちらにも動く余地

28日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。月末のドル買い需要で156.58円前後まで上昇する場面も見られたが、日銀の追加利上げや米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ観測が再燃する中で上値は限定的となった。ただ、感謝祭後のブラックフライデーで米国株式・債券市場が短縮取引となる中、様子見ムードが強く下値も限られた。 本日は植田日銀総裁が講演を行う。日銀の12月金融政策決定会合での追加利上げを巡り、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では60%前後の織り込みとなっていることから、植田総裁の発言次第で円は売り買いどちらにも動く余地はある。ただ、先週28日に日本政府が25年度の補正予算案を閣議決定し、11兆円超の追加国債を発行する見込みとなっているため、財政懸念がくすぶっている。したがって、日銀の12月追加利上げ観測が後退した場合の方がドル/円への影響は大きくなりそうだ(円売り)。ドル/円は日足一目均衡表の転換線(156.55円前後)や28日高値(156.58円前後)が目先の上値目途となるが、ここを上抜けられれば、再び157円台を目指すことになるだろう。

注目の経済指標:ISM製造業景況指数

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

注目のイベント:植田日銀総裁発言

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
中村 勉(なかむら・つとむ)
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。