この記事は2026年1月16日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:衆議院選挙があれば連立与党が勝利して高市政権の積極財政の追い風になる可能性が高い」を一部編集し、転載したものです。
高市首相が、1月23日の通常国会の冒頭で、衆議院を解散することを検討していると報道された。解散されれば、2月8日または15日に投開票が行われるとみられる。石破政権下の前回の衆議院選挙から連立の政権の枠組みが、自民党と公明党から、自民党と日本維新の会に、高市政権下で変化しているため、国民からの信任を得る必要がある。衆議院選挙に勝利をすれば、政治的求心力が高まり、高市政権は6月の骨太の方針で、これまでの財政再建優先から、責任ある積極財政と官民連携の成長投資の拡大へ、経済政策の方針を大胆に転換することができるようになる。現在のところ、連立与党が過半数の議席を獲得して、衆議院選挙で勝利する可能性が高い。
衆議院選挙の政権与党の獲得議席率は、与党の支持率、野党の支持率(無回答を含む)などで、推計できることが分かっている。1月のNHKの世論調査で、自民党の支持率は32.2%、日本維新の会の支持率は3.7%で、連立与党の支持率は合計で35.9%である。連立与党の獲得議席数の推計値は270となる。233の過半数の議席数を上回り、連立与党が勝利する可能性が、現在のところ大きい。6月の骨太の方針では、積極財政が国民から信任された追い風で、経済政策の方針を大胆に転換し、2027年度の政府予算を、真に高市型としていくことになる。官民連携の成長投資と危機管理投資は拡大していき、日本経済の供給能力と潜在成長率を押し上げていくことになるだろう。
焦点は、自民党単独で過半数の議席を獲得できるのかだ。連立与党の合計の支持率ではなく、自民党の単独の支持率で推計をすると、自民党の獲得議席数の推計値は233となる。単独で過半数を上回れるのかまだ微妙な状況だ。高市政権の支持率は62%と高い。自民党の支持率を上回る30%(62%-32%)は、保守的な国民や若年層で、高市政権は支持するけれども、非自民や無党派に該当する部分であるとみられる。この部分を自民党の支持に変えられるかどうかが、自民党が過半数の議席を獲得できるのかどうかを左右することになる。非常に高い内閣支持率によって、高市プレミアムが生まれれば、連立与党の議席は313まで跳ね上がる大勝となる。自民党の支持率が伸び悩んでいる中でも、高市プレミアムが生まれるかも焦点だ。
高市首相は、1月23日の通常国会の冒頭で、衆議院を解散することを、連立与党に伝達した。19日に高市首相は記者会見を行う予定である。2月8日に投開票が行われるとみられる。石破政権下の前回の衆議院選挙から連立の政権の枠組みが、自民党と公明党から、自民党と日本維新の会に、高市政権下で変化しているため、国民からの信任を得る必要がある。公明党が最大野党の立憲民主党と新党結成を合意したことも、高市首相に解散の大義を与えることになる。衆議院選挙に勝利をすれば、政治的求心力が高まり、高市政権は6月の骨太の方針で、これまでの財政再建優先から、責任ある積極財政と官民連携の成長投資の拡大へ、経済政策の方針を大胆に転換することができるようになる。経済政策の方針を大胆に転換するには、衆議院で過半数がギリギリで、参議院では少数与党である中、自民党内での抵抗勢力もまだ強く、総選挙での勝利によって、政治的求心力を高める必要があると判断したとみられる。日本維新の会との連立交渉で、自民党内での抵抗勢力がまだ強く、消費税率引き下げを条件に入れることができなかったとみられる。現在のところ、連立与党が過半数の議席を獲得して、衆議院選挙で勝利する可能性が高い。
2025年度の経済対策の補正予算が国会を通過し、大部分が2026年度から執行される。2026年度の初頭が暫定予算での運営となっても、政策の滞りはないと考えているとみられる。3月の年度末までに予算を衆議院のみは通過させることができ、参議院の審議は4月の年度入り後に審議することになるが、衆院の優越によって自動的に成立する。2026年度の政府予算と税制改正大綱は、石破政権下の骨太の方針に基づくものであり、設備投資減税などの高市政権の独自性が一部は反映されているが、まだ石破政権型の予算である。当初予算ベースでは、プライマリーバランスは黒字化してしまい、政府の成長投資などの支出はまだ小さく、積極財政を具現化したものではない。
2026年度の本予算が国会を通過した後、経済対策の補正予算を組み、2026年度の政府予算を石破政権型から高市政権型に変えるとみられる。赤字国債の発行を可能にする特例公債法は、連立与党が過半数の議席をもたない参議院も通過させる必要があり、早期の解散総選挙に否定的である国民民主党の反対などで、これまでの5年ロールではなく、1年ロールに戻され、国会を年度末までに通過させることを優先するかもしれない。6月の骨太の方針では、積極財政が国民から信任された追い風で、経済政策の方針を大胆に転換し、2027年度の政府予算を、真の高市型予算としていくことになる。官民連携の成長投資と危機管理投資は拡大していき、日本経済の供給能力と潜在成長率を押し上げていくことになるだろう。
衆議院選挙の政権与党の獲得議席率は、与党の支持率、野党の支持率(無回答を含む)、投票率に加えて、2017年を1、2024年を―1、それ以外を0とするダミー変数で、推計できることが分かっている。安倍政権下の2017年の衆議院選挙では、獲得議席率が9.4%上振れ、石破政権下の2024年では9.4%下振れたことになる。安倍プレミアムと石破ディスカウントが存在する。衆議院選挙は政権選択であり、政権の支持率よりも、連立与党の支持率の影響を大きく受けるようだ。1月のNHKの世論調査で、自民党の支持率は32.2%、日本維新の会の支持率は3.7%で、連立与党の支持率は合計で35.9%である。投票率が前回と同じで53.9%と仮定すると、連立与党の獲得議席数の推計値は270となる。233の過半数の議席数を上回り、連立与党が勝利する可能性が、現在のところ大きい。
焦点は、自民党単独で過半数の議席を獲得できるのかだ。連立与党の合計の支持率ではなく、自民党の単独の支持率で推計をすると、自民党の獲得議席数の推計値は233となる。単独で過半数を上回れるのかまだ微妙な状況だ。高市政権の支持率は62%と高い。自民党の支持率を上回る30%(62%-32%)は、保守的な国民や若年層で、高市政権は支持するけれども、非自民や無党派に該当する部分であるとみられる。この部分を自民党の支持に変えられるかどうかが、自民党が過半数の議席を獲得できるのかどうかを左右することになる。非常に高い内閣支持率によって、高市プレミアムが生まれれば、連立与党の議席は313まで跳ね上がる大勝となる。自民党の支持率が伸び悩んでいる中でも、高市プレミアムが生まれるかも焦点だ。
政権与党獲得議席率(%)=59.8 +1.3 政権与党合計支持率-0.8 野党支持率(%)-0.5 投票率(%)+9.4 プレミアム; R2=0.99 (安倍政権下の2017年にプレミアム+1、石破政権下の2024年にディスカウント―1)
図1:政権与党支持率と野党支持率(無回答を含む)
図2:衆議院選挙の政権与党獲得議席の推計値
図3:国会の政党の勢力
図4:政党の立ち位置
本レポートは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、本レポート中の記載内容、数値、図表等は、本レポート作成時点のものであり、事前の連絡なしに変更される場合があります。なお、本レポートに記載されたいかなる内容も、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。