この記事は2026年1月5日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:巨大な高市プレミアムを背景に戦略投資の積極財政へ大転換」を一部編集し、転載したものです。
巨大な高市プレミアムを背景に戦略投資の積極財政へ大転換
衆議院選挙の政権与党の獲得議席率は、与党の支持率、野党の支持率(無回答を含む)、投票率に加えて、2017年を1、2024年を―1、それ以外を0とするダミー変数で、推計できることが分かっている。連立与党の獲得議席数の推計値は266となった。高市プレミアム(+1)がついたとすると、推計値は324となった。2月8日の衆議院選挙では、自民党と日本維新の会の連立与党系は354議席を獲得した。参議院の議決を覆せる三分の二の310議席を上回る、大勝となった。巨大な高市プレミアムがついたことになる。
衆議院解散の記者会見で、高市首相は、「これまでの行き過ぎた緊縮財政の呪縛を乗り越えて、経済・財政政策を大転換する」ことを、国民に信を問うとした。衆議院選挙の期間中の高市政権の積極財政の方針に対しての厳しい批判を乗り越え、衆議院選挙に大勝したことによって、国民の信任を背景に、高市政権の積極財政へ大転換する推進力がより強くなったとみられる。30年間の経済停滞をもたらした緊縮財政から変化し、新たな経済・財政政策を試みることを国民は望んだ。極めて高い内閣支持率に対して、自民党の支持率は高くなく、国民の高市支持に支えられた勝利であり、高市プレミアムを背景に、緊縮財政の抵抗勢力を乗り越えることができるだろう。
高市政権は、巨大な高市プレミアムを背景に緊縮財政の抵抗勢力を乗り越え、経済・財政政策の大転換を加速し、積極財政による投資で強い経済を作ることを目指していくことになるだろう。連立与党の大勝によって、積極財政への転換が逆に鈍化するというのは間違いで、より加速していくだろう。野党の国民への還元中心の積極財政ではなく、政府の戦略投資中心の高市政権型の積極財政がより強く進められることになる。官民連携の成長投資・危機管理投資の投資需要によって需給ギャップを十分に押し上げ、高圧経済を目指すことになるだろう。投資はいずれ供給能力に変化し、インフレ率を安定化し、潜在GDPを押し上げ、実質所得の増加につながる。高圧経済による一時的な物価上昇率の高止まりがもたらす家計の負担を軽減するため、投資が実質所得の増加につながるまで家計を支援していくことになるだろう。食料品の消費税率の0%への引き下げは2027年には実施されることになるだろう。財源は十分にあるため、野党を含めた国民会議の議論を経て、実施に高市政権は躊躇しないだろう。
6月の骨太の方針では、経済・財政政策の大転換を試みることになるだろう。これまでの主流派の考え方は、財政健全化に拘るあまり、経済規模の持続的な拡大という責務を政府は果たさなかった。需給ギャップが0%でちょうどよいという考えで、経済政策が引き締められ、景気回復の果実は国民に届かなかったからだ。現在のグローバルな経済政策の潮流は、多様化する中長期の経済・社会の課題を解決するための官民連携の投資と需要の拡大に変化している。そして、官民連携の成長投資のグローバルな激しい競争になってきている。プライマリーバランスの黒字化目標は、将来の成長や所得を生む成長投資であっても、税収の範囲内で行う制約となる。
高市政権では、人口動態ではなく、投資不足が、日本経済の停滞の原因であると判断している。成長投資のグローバルな激しい競争の中、日本だけ、無用な足かせをはめて戦えば、投資の競争に敗れ、国力の衰退の原因となってしまう。高市政権では、積極財政でグローバルな経済政策の潮流の変化に乗るため、成長投資を税収の範囲内で行う制約となってしまうプライマリーバランスの黒字化目標から、成長投資の拡大を可能とするより柔軟な財政目標に変え、官民連携の成長投資の競争を勝ち抜き、国力の強化に取り組むとみられる。ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)などの財政指標を確認しながらの適度な財政支出を実施することで、野放図な財政拡大とは無縁だ。経済規模の拡大と国力の強化で、純債務残高GDP比を過去に国債格付けがAAAだった頃の水準まで引き下げ、経済再生の先には財政健全化まで成し遂げることになるだろう。
衆議院選挙の政権与党の獲得議席率は、与党の支持率、野党の支持率(無回答を含む)、投票率に加えて、2017年を1、2024年を―1、それ以外を0とするダミー変数で、推計できることが分かっている。安倍政権下の2017年の衆議院選挙では、獲得議席率が12.5%上振れ、石破政権下の2024年では12.5%下振れたことになる。安倍プレミアムと石破ディスカウントが存在した。衆議院選挙は政権選択であり、内閣の支持率よりも、連立与党の支持率の影響を大きく受けるようだ。2月8日の衆議院選挙では、自民党と日本維新の会の連立与党系は354議席を獲得した。参議院の議決を覆せる三分の二の310議席を上回る、大勝となった。NHKの投票1週間前(1月30~2月1日)の世論調査によると、連立与党の支持率は、自民党(35.7%)と日本維新の会(3.7%)と合わせて39.2%となっていた。野党の支持率は33.4%となっていた。投票率は56.3%となった。
連立与党の獲得議席数の推計値は266となった。高市プレミアム(+1)がついたとすると、推計値は324となった。結果はそれ以上となり、巨大な高市プレミアムがついたことになる。衆議院解散の記者会見で、高市首相は、「これまでの行き過ぎた緊縮財政の呪縛を乗り越えて、経済・財政政策を大転換する」ことを、国民に信を問うとした。衆議院選挙の期間中の高市政権の積極財政の方針に対しての厳しい批判を乗り越え、衆議院選挙に大勝したことによって、国民の信任を背景に、高市政権の積極財政へ大転換する推進力がより強くなったとみられる。30年間の経済停滞をもたらした緊縮財政から変化し、新たな経済・財政政策を試みることを国民は望んだ。極めて高い内閣支持率に対して、自民党の支持率は高くなく、国民の高市支持に支えられた勝利であり、高市プレミアムを背景に、緊縮財政の抵抗勢力を乗り越えることができるだろう。
高市政権は、巨大な高市プレミアムを背景に緊縮財政の抵抗勢力を乗り越え、経済・財政政策の大転換を加速し、積極財政による投資で強い経済を作ることを目指していくことになるだろう。連立与党の大勝によって、積極財政への転換が逆に鈍化するというのは間違いで、より加速していくだろう。野党の国民への還元中心の積極財政ではなく、政府の戦略投資中心の高市政権型の積極財政がより強く進められることになる。官民連携の成長投資・危機管理投資の投資需要によって需給ギャップを十分に押し上げ、高圧経済を目指すことになるだろう。高圧経済による一時的な物価上昇率の高止まりがもたらす家計の負担を軽減するため、投資が実質所得の増加につながるまで家計を支援していくことになるだろう。食料品の消費税率の0%への引き下げは2027年には実施されることになるだろう。財源は十分にあるため、野党を含めた国民会議の議論を経て、実施に高市政権は躊躇しないだろう(2月6日のアンダースロー「消費税減税の財源は十分にある」を参照)。
2026年度の政府予算は、石破政権下での骨太の方針を反映した石破型予算である。予算上でプライマリーバランスが黒字化してしまったことは、高市政権が目指す成長投資・危機管理投資の拡大が不十分であることを意味する。高市政権は、これまでの投資不足が、日本経済の停滞と国力の衰退を招いたと考えている。通常国会の後半では、追加経済対策の補正予算で、2026年度の政府予算から成長投資を拡大する高市型に変えることを試みるだろう。6月の骨太の方針では、経済・財政政策の大転換を試みることになるだろう。これまでの主流派の考え方は、財政健全化に拘るあまり、経済規模の持続的な拡大という責務を政府は果たさなかった。需給ギャップが0%でちょうどよいという考えで、経済政策が引き締められ、景気回復の果実は国民に届かなかったからだ。
高市政権では、需給ギャップが十分に大きくなるまで、積極財政と緩和的金融政策、官民連携の投資・需要の拡大によって、「高圧経済」の方針で、経済規模の持続的な拡大にコミットする。高市政権では、人口動態ではなく、投資不足が、日本経済の停滞の原因であると判断している。企業の国内支出の拡大で、貯蓄超過から投資超過に回復させ、日本経済を「コストカット型経済」から「成長型経済」へ移行することを目指す。高市政権は、実質所得の増加などによって、景気回復の果実が国民にしっかり届くまで満足しない。投資はいずれ供給能力に変化し、インフレ率を安定化し、潜在GDPを押し上げ、実質所得の増加につながる。日銀に「強い経済成長」と「物価安定」の両立のデュアル・マンデートを課しているため、日銀法第四条を基に政府の経済政策の基本方針(高圧経済と官民連携の成長投資の拡大)と整合的となるように、日銀の利上げは緩慢なペースとなるだろう。
現在のグローバルな経済政策の潮流は、多様化する中長期の経済・社会の課題を解決するための官民連携の投資と需要の拡大に変化している。そして、官民連携の成長投資のグローバルな激しい競争になってきている。プライマリーバランスの黒字化目標は、将来の成長や所得を生む成長投資であっても、税収の範囲内で行う制約となる。成長投資のグローバルな激しい競争の中、日本だけ、無用な足かせをはめて戦えば、競争に敗れ、国力の衰退の原因となってしまう。高市政権では、積極財政でグローバルな経済政策の潮流の変化に乗るため、成長投資を税収の範囲内で行う制約となってしまうプライマリーバランスの黒字化目標から、成長投資の拡大を可能とするより柔軟な財政目標に変え、官民連携の成長投資の競争を勝ち抜き、国力の強化に取り組むとみられる。ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)などの財政指標を確認しながらの適度な財政支出を実施することで、野放図な財政拡大とは無縁だ。経済規模の拡大と国力の強化で、純債務残高GDP比を過去に国債格付けがAAAだった頃の水準まで引き下げ、経済再生の先には財政健全化まで成し遂げることになるだろう。
政権与党獲得議席率(%)=55.5 +1.4 政権与党合計支持率-0.7 野党支持率(%)-0.5 投票率(%)+12.5 プレミアム; R2=0.97 (安倍政権下の2017年にプレミアム+1、石破政権下の2024年にディスカウント―1、高市政権下の2026年にプレミアム+1)
図1:衆議院選挙の政権与党獲得議席の推計値
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