主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年7月1日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼30日(火)の為替相場
(1):1986年12月以来の162円台
(2):RBA議事要旨公表
(3):佐藤日銀審議委員 就任会見
(4):独CPI 伸びが鈍化
(5):JOLTS求人件数 予想を上回る
▼30日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:163円台を目指す動きも/ ▼注目の経済指標・イベント
30日(火)の為替相場
期間:30日(火)午前6時10分~1日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):1986年12月以来の162円台
木原官房長官は記者会見で、円安に関し「必要に応じ、いつでも適切に対応していく」と発言。円安が経済に与える影響について「総合的に見ていく必要がある」と語った。その上で高市内閣として「マーケットからの信認を確保しつつ、為替変動に強い経済構造を作っていきたい」と強調した。政府・日銀が目先的に円買い介入を発動するリスクは小さいとの見方から円が売られると、ドル/円は1986年12月以来の162円台に上昇した。その後、片山財務相も「必要に応じ、いつでも適切に対応する」と繰り返した上で、「断固たる措置が含まれることは先般の日米財務相のオンライン会合でも確認している」と述べた。
(2):RBA議事要旨公表
豪中銀(RBA)は政策金利を4.35%に据え置いた6月理事会の議事要旨を公表。「(5月までの)3会合連続の利上げが経済に及ぼす影響を評価するには、しばらく時間がかかる」として短期的な様子見姿勢を示しつつ「現時点では概ね予想通りの効果が出ている」と評価。その上で「目標達成のために利上げを含め必要な対応を取る」と表明した。
(3):佐藤日銀審議委員 就任会見
30日付で日銀審議委員に就任した佐藤氏が就任会見を実施。日銀の利上げ方針に関しては「経済物価情勢の分析を深めて議論していきたい」と述べるにとどめ、自身の信条については言及を控えた。ただ、「足元の消費者物価指数はあまり高くない」「(インフレは)ノルムとしてそれほど強いものではない」との見解を示し、利上げに消極的な姿勢をのぞかせた。他方、円安をめぐっては、企業の価格転嫁の動きが広がっていることを踏まえ「以前と比べると為替の変動が物価に与える影響が大きくなる可能性もある」とした上で「基調的な物価上昇率に影響を及ぼす可能性に留意し、為替動向をしっかりと見極めていく必要がある」と語った。
(4):独CPI 伸びが鈍化
独6月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+2.3%と、市場予想および前月の+2.6%を下回って鈍化。欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(HICP)も前年比+2.4%と市場予想(+2.5%)に届かず、前月の+2.7%から伸びが鈍化した。これより前に発表された仏6月HICPも前年比+2.0%と市場予想(+2.3%)を下回り、前月の+2.8%から鈍化した。
(5):JOLTS求人件数 予想を上回る
米5月JOLTS求人件数は759.4万件と市場予想(729.6万件)を上回り、前月(758.5万件)とほぼ同水準だった。レイオフ(一時解雇)は170.8万件とやや増加したが、レイオフ率は1.1%で依然として低い水準だった。同時に発表された米6月消費者信頼感指数は91.2と市場予想(94.4)を下回った。調査に対し「職探しが困難」と答えた消費者の割合は19.8%から22.5%に増加し2021年1月以来の高水準となった。