
「アンチエイジング」の力で誰もが輝ける未来を追求する企業、プレミアアンチエイジング株式会社。創業者で代表取締役社長の松浦清氏は、人生100年時代における健康寿命の延伸こそが、社会全体の幸せにつながると語る。
同社は2009年の設立以来、「Forever vivid 人の時間(とき)を、解き放つ。」という理念のもと、年齢にとらわれず誰もが自分の時間を生きて輝ける社会の実現を目指してきた。その想いは、化粧品やリカバリーウェアといった事業だけでなく、社員自身の健康を大切にする組織づくりにも息づいている。
アンチエイジング企業トップ自らが実践する日々の健康習慣や社員のエンゲージメントを高める健康経営の哲学について、松浦氏に聞いた。
目次
アンチエイジングで社会全体の幸せを築く
── アンチエイジングが事業ですが、会社の歴史やプロダクトについて教えてください。
松浦氏(以下、敬称略) 当社は創業17年目を迎えました。2020年10月に上場し、現在はスキンケア、ヘアケア、インナーケアのアンチエイジング事業と、リカバリーウェアなどのリカバリー事業を展開しています。グループ全体の売上の7割強を占めるメイン事業は、クレンジングバームを代表とするDUO(デュオ)ブランドです。また、2023年1月にはリカバリーウェアを展開する株式会社ベネクスをグループに迎えました。社名の通り、アンチエイジングに関する事業やサービスを幅広く提供しています。「休養」を通じて体をリカバリーすることも、重要なアンチエイジングの一つです。
── 2022年に健康経営宣言を策定し、4年連続で認定を受けていますね。
松浦 健康経営は、アンチエイジングを掲げる企業として以前から取り組んできたことです。現在は人的資本経営という考え方が、社内に深く浸透しています。
また、ベネクスのグループ入りにより、睡眠やリカバリーへの意識がさらに高まりました。
今では部署を超えて、睡眠の質やプレゼンティーイズム(注:痛みや疾患のため仕事の効率が低下している状態)の改善など、健康について、自然に会話が生まれています。2026年2月には、コーポレートサイトで「Our Story」というページを公開しました。ここで、私たちが考える「アンチエイジング」をあらためて定義しています。
人生100年時代において、健康寿命を延ばすことは社会全体の幸せにつながります。若さや見た目を保つだけでなく実年齢にとらわれず、より健康で自信を持ち、好奇心を持って新しいことに挑戦し続ける。自分の時間を生きて輝くことこそが、私たちが目指す「アンチエイジング」の姿です。
アンチエイジング企業の社長が実践する健康習慣は?
── 健康経営に注力するようになった具体的なきっかけを教えてください。
松浦 社員一人ひとりがアンチエイジングを体現することを願い、もともと取り組んでいたことを言語化し、具体的に発信するようにしました。それにより、社員も自身の健康を強く意識するようになったと感じています。健康でアンチエイジングを体現してこそ、Uniqueな感性と思考から新しい価値が生まれ、人生がより輝くものとなるきっかけをお届けすることができる、それが当社のパーパスでもあるからです。私自身、社員とのランチ会を定期的に開催し、直接対話する機会を設けています。
ランチ会では、健康に関する話題が非常に多く出ます。社員からよくある質問が「社長が健康のためにどのような習慣や関心をお持ちですか」というものです。私は常に、アンチエイジングのためには好奇心を持ち、挑戦し続けることが大事だと伝えています。
プライベートでの過ごし方や趣味も、すべては健康につながるものです。社員との会話の約9割が健康やウェルネスに関する話題になることもあります。こうしたコミュニケーション自体が、健康経営の一環として機能していると感じます。
── 松浦社長が実践している健康習慣について教えてください。
松浦 私自身が老け込んでしまっては、アンチエイジング企業のブランディングになりません。そのため、常に健康と美容の最前線にいることを心がけています。具体的なルーティンとしているのが、週の半分はジムに通い、ストレッチや有酸素運動を行うことです。
また、週に一度はピラティスを取り入れ、体のバランスを整えています。サウナにも週に数回通い、心身のリフレッシュを欠かしません。睡眠についても、リカバリーウェアの着用を含め、極めて高い意識を持っています。
食事面では、「オートファジー」を意識し、16時間の空腹時間をつくることを習慣にしています。寝る4時間前には食事を終え、朝食を抜くことで胃腸を休めています。
さらに、年に一度は血液検査を行い、自分に足りない栄養素を把握することも大切にしています。
ベネクスのグループインで「リカバリー」が社員に浸透、スキンケアとの融合も誕生
── 健康に対して高い意識を持つようになった、もともとのきっかけは何ですか?
松浦 父を12歳のときに亡くしたことが、健康を意識する大きなきっかけです。若いうちから健康の大切さを痛感し、アンチエイジングへの関心を持ち続けてきました。20代や30代は多忙で不摂生な時期もありましたが、常にアンテナは張っていました。
40歳で当社を立ち上げたころは、ちょうど「アンチエイジング」という言葉が普及し始めた時期です。このワードが私のアンテナに強く引っかかり、事業にしたいと考えたのです。自分自身も、これからの人生をどう健康に生きるか、あらためて問い直していた時期でした。健康寿命を延ばすことは、これからの社会において無限の可能性があると感じていました。アンチエイジングのマーケットは、今後、縮小することはないと確信しています。自分の想いと市場のニーズが合致したことが、起業の決め手となりました。この文化が社内に根付いているのは、私の個人的な経験も影響しているかもしれません。
── ベネクス社との連携は、組織や商品開発にどのような変化を与えましたか?
松浦 社員の多くがベネクスのリカバリーウェアを実際に着用し、その効果を実感しています。社内では「休養学セミナー」を定期的に開催し、理論的な学びも深めています。休養には「生理的休養」や「心理的休養」など、さまざまな側面があり、それらを学んでいます。
こうした学びは、当社の3つのプロミス(注:企業理念を実践するための行動指針)のうちの一つである「No Limits(限界を設けない)」にも通ずるものです。限界を超えて挑戦し続けるためには、質の高い休養が不可欠だからです。この考え方は、具体的な商品開発という形でも実を結んでいます。
たとえば、リカバリーウェア「ベネクス」の独自成分と当社の幹細胞培養由来エキスに着目したエイジングケアブランド「Reinca」(レインカ)との「リカバリービューティ」をコンセプトにした商品が誕生し、2026年の4月から発売を開始しました。この「リカバリーマスク」はシートマスクでリカバリービューティを実践するという新しい提案です。グループシナジーを活かしたこうした取り組みは、当社らしい非常に面白い展開だと感じています。
「健康経営は社員が自分らしく生きるための基盤」という信念
── 構造改革を進めるなかで、健康経営を継続・強化する理由はどこにありますか?
松浦 当社は事業規模に対して社員数が少なく、一人ひとりが極めて重要な経営資源です。また、ファブレス経営だからこそ、そこで働く「人」こそがすべてであると考えています。構造改革においてコスト削減は必要ですが、人を削ることは選択肢にありません。少数精鋭で効率よく回っている仕組みを維持するためには、人を大切にすることが不可欠です。安易に人員を減らすのではなく、より効率を高める方法を模索しています。それ以上に重要なのが、社員のエンゲージメントを高めることです。社員一人ひとりが高い意欲を持って挑戦し続けられる状態こそが、企業の成長を支えます。
株主の方々に対しても、人以外の部分での構造改革で成果を出すことでご理解をいただけるよう、ご説明しています。人が一番大事であるという方針は、どのような状況下でも変えません。
── どうやって社員に組織の哲学や健康経営を腹落ちさせてきたのでしょうか?
松浦 健康経営は会社が管理するものではなく、自分らしく生きるための基盤です。このメッセージを、私をはじめとする経営層が率先して体現し続けてきました。言葉だけでなく行動で示すことで、徐々に社員にも浸透したと感じています。
先ほど一つを紹介した「プロミス」は全部で3つあり、「No Limits(限界を設けない)」「Never Boring(常に新しいことに挑戦する)」、そして「Always True(誠実であること)」です。これらを追求するためには、心身の健康が前提条件となります。プロミスを大切にする人たちが集まり、それを支える基盤として健康がある。この一貫した姿勢が、組織のカルチャーを形づくっています。
── 経営者として、社員のエンゲージメントを高めるために大切にしていることは何ですか?
松浦 苦しいときこそ、社員が何を考えているのかを丁寧に聞くことです。当社ではエンゲージメントサーベイを実施し、現場の声を吸い上げています。経営層の想いと現場の認識に相違がないか、常にモニタリングすることが重要です。サーベイの結果を受けて、経営陣が真摯に反省し、改善できることは即座に実行します。少数精鋭の組織だからこそ、一人ひとりの声に耳を傾けることが可能です。できることとできないことを明確にしつつ、誠実に対応することで信頼関係を築きます。
社員とのランチ会も、現場の空気感を知るための貴重な時間です。「自分が思っていることが伝わっているか」「現場とのギャップはあるか」等を確認します。こうした直接的な対話が、組織のカルチャーを保つ上で欠かせません。