「サンマルクカフェ」、「鎌倉パスタ」などを展開する外食大手のサンマルクホールディングス(HD)が事業ポートフォリオの強化を旗印に、100億円超えの大型M&Aを連発中だ。2024年以降、その数は3件。これまでの2件はいずれも牛カツ専門店をターゲットとしたが、今回はうどん専門店の買収に動いた。
アフターコロナ到来を受け、外食大手の間ではここ数年来、市場の成熟化やニーズの多様化を踏まえ、新業態や有力ブランドの取り込みに向けたM&Aが活発化している。
「つるとんたん」買収、うどんに参入
サンマルクHDは9月17日、高級旅館「ふふ」などを運営するカトープレジャーホールディングス(東京都港区)の傘下企業から、うどん専門店「つるとんたん」事業を買収すると発表した。買収金額は128億円で、サンマルクHDのM&Aとして最大規模となる。
うどん業態には初参入。今後継続的な拡大が見込まれるインバウンド(訪日客)需要の取り込みや海外展開の本格化を見据え、「和」の専門業態を強化するのが狙いだ。
「つるとんたん」は1989年に大阪で1号店を開業。現在、国内直営13店舗(大阪、東京、軽井沢)、海外フランチャイズ2店舗(ニューヨーク、ハワイ)を展開する。
受け皿となる同名の新会社・つるとんたん(京都市)を設立し、12月1日付で事業を引き継ぐ(「つるとんたん」以外の1店舗を含む)。対象事業の2026年3月期売上高は61億3500万円。
インバウンド需要や海外展開をにらむ
サンマルクHDはイタリアン、小籠包、グリル、天ぷら、すしなどの業態を含めて約30の飲食ブランドを展開するが、基幹ブランドとして双璧は何といっても「サンマルクカフェ」と、スパゲッティの「鎌倉パスタ」だ。
全871店舗(6月末)のうち、「サンマルクカフェ」が約290店、「鎌倉パスタ」が約210店を占め、経営の屋台骨を担う。
サンマルクHDは2029年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画で、既存の有望業態の強化、M&Aによる新ブランドの獲得など、今後の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資を重点戦略として打ち出した。
この中で、M&Aのターゲットとしたのがインバウンド需要の拡大や海外展開の本格化を見据えた和食業態というわけだ。
牛カツ店を100億円超で連続買収
中計1年目の2024年に繰り出したのが牛カツ専門店の買収で、しかも2件。同じ業態を連続買収したのだ。
ブランド名は一つが「京都勝牛」、もう一つが「牛かつもと村」。それぞれの運営会社を傘下に収めた。買収金額は前者が112億円、後者が105億円。合計220億円近くに上り、当時の売上高の3分の1に相当する金額を投じた。