スーパーをめぐる再編の動きが勢いづいている。食材仕入れ価格や人件費上昇が経営を圧迫する中、単独での生き残りが難しさを増していることが背中を押している。

ライフ、売上高1兆円・400店舗に“王手”

9月に入り、スーパーのM&Aが2件続いた。一つは、食品スーパー「ライフ」を近畿、首都圏で展開するライフコーポレーションによるアルビスの買収発表。アルビスは北陸を地盤とする同業の地域大手で、TOB(株式公開買い付け)を通じた買収金額は最大263億円。

今回のライフ、アルビスの急接近の背景には両社の大株主である三菱商事の存在も見逃せない。

ライフとして同業スーパーを傘下に収めるのは初めて。北陸エリアを新たな商圏に取り込み、2030年度(2031年2月期)を目標とする売上高1兆円、店舗数400店の実現に“王手”をかける形だ。

ライフの直近売上高は8813億円で、店舗数は317店(2月末)。一方、アルビスは売上高1009億円、68店舗・移動販売車24台(3月末)。

アルビスはライフの傘下に入り、PB(プライベートブランド)の拡充や、AI(人工知能)・IT投資への対応強化などの相乗効果を見込む。

TOBは11月30日まで。TOBが成立すれば、アルビスは東証プライム市場への上場が廃止となる。

サミット、衣料品の21店舗をしまむらに譲渡

もう一つは、同じく食品スーパーで住友商事傘下のサミット(東京都杉並区)による衣料品事業「コルモピア」の21店舗売却。売却先は衣料品チェーン大手のしまむらだ。

サミットは1都3県に約140店舗を展開。このうち「コルモピア」は単独店舗、食品スーパー「サミットストア」との併設店舗を合わせて32店舗。食品スーパー事業に経営資源の集中を進める一方、「日常衣料の提供継続」を踏まえ、様々な選択肢を検討する中で、21店舗の譲渡を決定したとしている。

対象店舗は2027年1月から3月にかけて順次、しまむらの店舗に転換する予定。譲渡金額は非公表。

「ドンキ」、Olympic全店舗の業態転換へ

首都圏地盤で食品スーパーやディスカウント店を手がけるOlympicグループは7月1日付で、「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の傘下に入った。Olympicは株式交換でPPIHの完全子会社となり、東証スタンダード上場を廃止した。

M&A Online
(画像=Olympicの店舗(東京都国分寺市)、「M&A Online」より引用)

PPIHは9月初め、Olympicが展開する全98店舗について、立地特性に応じて「MEGAドン・キホーテ」「ドン・キホーテ」「ロビン・フッド」への業態転換を進め、2029年10月までの完了を目指すと発表した。

なかでも「ロビン・フッド」は食品を軸とした新業態で、2026年4月に登場したばかり。この新業態の展開先としてOlympic店舗の多くが充てられる見通しだ。PPIHは総合スーパーのユニーを子会社として抱え、同社の食品調達力を生かす。

Olympic店舗の業態転換は12月から始まるが、第一弾としてリニューアルオープンする5店舗(東京、神奈川、埼玉)のうち3店舗は「ロビン・フッド」が予定されている。