9月の日経平均は中東情勢緊迫化に伴う原油高やインフレ懸案による長期金利の上昇などから、上値の重い冴えない展開となった。こうした中、大量保有報告書の提出状況を見てみると、アクティビスト(物言う株主)の動きも勢いを欠いた。

大量保有報告書の提出、今年最少

9月中、保有目的欄に「経営への助言や、重要提案行為などを行う」という内容の記載がある大量保有報告書・変更報告書の提出件数は今年最も少ない68件で、月間100件に届かなかったのも今年初めて。

なかでも5%以上の新規保有に限れば、わずかに1件が確認できただけだった。物流中堅の安田倉庫がそれだ。

大量保有報告書制度では、上場企業の株式を5%以上保有したときに「大量保有報告書」、その後に保有割合が1%以上変動した際や記載内容に重要な変更があった場合に「変更報告書」に提出が義務づけられている。

英NAVF、安田倉庫株を新規保有

安田倉庫の株式5.17%を新規保有したとする大量保有報告書を9月17日、関東財務局に提出したのは英投資ファンドのニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド(NAVF)。

アクティビストとして知られる米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが共同保有者(保有割合3.36%)として名を連ねる。

保有目的は「投資および経営陣に対する経営の助言、並びに状況に応じて重要提案行為等を行うこと」とし、発行会社の財務的健全性や市場での地位が株価に反映されてないなどとの認識を示している。

安田倉庫は渋沢倉庫などと並ぶ倉庫準大手の一角で、医薬品物流に強みを持つ。その名の通り、旧安田財閥の流れをくみ、設立は1919年。2028年3月期を最終年度とする中期経営計画(2025年4月~28年3月)で売上高820億円、営業利益45億円、ROE(自己資本利益率)5.5%以上を掲げている。

英国勢の動きが総じて目立つ

NAVF以外に、総じて目立ったのが英国勢。アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)はメガネ専門店大手の愛眼、音響機器メーカーのフォスター電機、描画用ペン入力タブレットを手がけるワコムなどについて、それぞれ株式の保有割合を高めた。

また、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズは医薬品商社のメディパルホールディングス、後発医薬品大手のサワイホールディングスの株式を買い増す一方で、ニコン、住友重機械工業の所有割合を5%以下に下げた。

シルチェスターは8月に博報堂DYホールディングス、産業用ボイラ大手の三浦工業について、それぞれ5%以上を新規保有したが、買い増しの報告はなかった。