1月9日、格付け会社大手のフィッチ・レーディングスはロシアの信用格付けを1段階下げて「BBB-」、格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」にしたと発表、同社格付けでは投資適格としての最低ラインとなる。
原油価格の急落とそれに伴う、ルーブルの暴落、金利の急上昇。またウクライナ問題における欧米諸国の経済制裁によりロシアの成長率は僅か0.6%となった。フィッチは、急落する消費・投資意欲を懸念、2015年のロシア経済が4%収縮するとみており、2017年までは経済回復が見込めないだろうとしている。また、原油平均価格については1バレル70ドルと想定しており、この価格を割り込み続ける場合、さらなる景気悪化の可能性があると指摘している。
ロシアの格付けについては、米格付け会社大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が「トリプルBマイナス」としており、また、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、昨年の10月に「Baa1」から「Baa2」へ引き下げている。いずれの格付け会社も見通しはネガティブだ。
ロシア政府も、政策金利を大幅に引き上げ、有価証券を担保にした外貨供給も増やすなど、通貨ルーブルの防衛、経済対策を矢継ぎ早に打ち出し、ルーブル危機の収束に躍起になっている。
フィッチ・レーディングスとS&Pの格付けでは、ロシアの信用格付けが投資適格級を外れる一歩手前だ。さらなる格下げが実施されれば、通貨危機終息へ向けた動きが鈍る可能性もある。なお、S&Pは1月半ばにロシアの格付けを発表する。
(ZUU online)
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