ロシアルーブル

原油価格が急落している。原油価格の国際的指標であるWTIは2014年6月に1バレル=105ドルの高値を付けたあと下落トレンドに入り、12月には55ドル前後まで急落している。半年で約半分の価値となってしまった。これを受け、輸出の7割が燃料・エネルギーで原油は3割を占めるほどと、サウジアラビアと並ぶ原油生産国のロシアは経済的な打撃を受けた。この経済的打撃により、国際社会はロシア経済に不安を覚え、ルーブルが急落した、というのが今ロシアで起きていることだ。

原油価格がこのように急落している場合、OPECは減産調整を行うことが多かった。しかし、今回は11月のOPECの総会では減産調整は見送られている。いったい何が起きているのだろうか。


OPECが減産調整を行わなかったワケ

シェールガスの影響が大きい。シェールガスはご存知だろうか。地下深くのシェール層に埋まっている石油の一種であり、主にアメリカやカナダで産出されている。シェールガスの採掘技術が進み、採掘コストも下がってきており、いずれ1バレル=40ドル程度まで下がるとみられている。このように原油と比べるとシェールガスは価格競争力を急速につけているため、OPECは減産調整よりも、価格下落傾向のまま現状維持という決断を下したものと想定される。


原油価格の下落に加え経済制裁がボディーブローのように効き始めたロシア

原油価格の下落だけではなく、ロシアはウクライナ情勢をめぐり、米国や欧州連合(EU)から経済制裁を受けている。

主な経済制裁は、ロシア政府系金融機関による資金調達の禁止、北極海などでの石油開発技術等の提供禁止等がある。これに対する報復措置として、ロシアも制裁発動国からの農産物の輸入禁止を発表する等、経済制裁の応酬となっている。このようなウクライナ情勢の悪化を嫌い、欧州で資金調達をしてきたロシア企業等、内外の資本はロシアから急速に流出しつつある。このような状況の中、ロシア中央銀行は7月から順次、政策金利の引き上げを断続的に実施。12月には10.5%から一気に17%に利上げを行った。これにより景気がさらに悪化する方向に作用し、ルーブル下落の要因のひとつとなっている。