ターゲットイヤー型投資信託とは、あらかじめ安定運用を開始する目標の年(ターゲットイヤー)を決めておき、ターゲット年に向かって積極的な運用リスクをとりながら徐々にリスクを減らすという個人年金を構築する投資信託を指す。サラリーマン投資家であれば、退職時をターゲットと定めて安定運用に移行する設計にしていることが多い。
ターゲットイヤー型投資信託のメリット
特徴はリタイヤ時期を見据えたライフプランの設計を軸に投資を考えるので、長期投資のメリットを受けやすい。同様のタイプが企業年金や国民年金だが、アベノミクスの下で積極的に打って出ようとしている一方、個人の運用はリスクの取り方に違いがある。ある程度資産も確保できている退職を控えたサラリーマンなら、確実に運用資産を維持できる低リスクな投資を望むだろう。こうしたニーズに合わせられるのがターゲットイヤー型投資信託だ。
個人が資産を運用するとなるとどうしても目先の利益に注力しがちだ。サラリーマン投資家の場合には融資を受けてから開始するケースは少なく、実際に資産から取り崩して利益を得ることが多いので過度のリスクもやむを得ないと諦める場合もあるが、長期戦略に基づいた投資信託であればリスクを負うプレッシャーも軽くなる。
ターゲットトイヤー型投資信託のデメリット
実は日本では利用されてきた歴史が比較的浅く、長期的に見て運用が有利なものか検証されていない。最終的に運用してみたら有利ではなかったでは済まされない長期投資に踏み切るには相応の勇気が必要だ。まさにこれから投資する人が将来の検証材料を提供しているようなものだ。
もちろん投資信託の一般的なデメリットもある。投資信託はプロの運用者が個人投資家に代わりさまざまな金融商品に分散投資するが、運用コストとして毎年手数料が必要だ。ただ単に分散投資をするだけならば株式・債権・預金など多様な金融商品を提供している証券会社があることから、プロに頼らずとも個人で実践することは可能である。ターゲットイヤー型投資信託の資産配分方針は明らかにされているのだから、その開示内容を真似して投資をすれば足りる。