個人向け国債
(写真=Thinkstock/Getty Images)

個人向け国債は、「日本国」という「国」が発行する債券で、比較的安全性が高く、投資初心者にも購入しやすい商品である。「今さら国債?」と思う人もいるかもしれないが、インフレ対策、ペイオフ対策、安全資産対策として、実は注目すべき商品のひとつだ。個人向け国債の商品性を復習し、今後の資産運用プランを考える際の参考にしていただきたい。

商品は3種類 ほとんどの金融機関で1万円から購入可能

個人向け国債には、満期と金利が異なる「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類がある。3種類とも、年に2回利子が支払われるが、「変動10年」は半年ごとに市場の実勢金利を反映して適用利率が変わり、発行から10年後に償還される。

「固定5年」「固定3年」は、発行時に金利が決まっており、発行からそれぞれ5年後、3年後に償還される。日本のほとんどの銀行や証券会社などで、最低1万円から1万円単位で購入ができ、最近は直接金融機関の窓口に行かず、インターネットや電話でも購入可能だ。

個人向け国債はどのくらい運用パフォーマンスはいいのか?

募集期間が2015年3月5日から3月31日の個人向け国債の場合、税引き前の利率は「変動10年」が0.26%、「固定5年」と「固定3年」が0.05%となっている。例えば、2015年3月に「変動10年」を1,000万円購入した場合、初回の利払いは13,000円となる。

変動金利なので今後どのくらい儲かるかは不明だが、2005年4月に発行され2015年4月に償還される「変動10年」は、発行時に1,000万円を投資していた場合、合計で453,000円の利子を受け取ることができた。財務省のホームページでは、個人向け国債を購入した場合の「購入シミュレーション」ができるので、どのくらいで運用できるか計算してみるのもいいだろう。

個人向け国債「変動10年」でインフレ対策

IMF(国際通貨基金)によると、日本の年間平均インフレ率は、2012年が-0.037%、2013年が0.357%、2014年が2.655%となっている。アベノミクスによって、日本は今後もインフレが進むことが予想されているが、インフレ経済の中、資産をタンス預金のままにしていると、資産の価値が自然と下がってしまう。そこで、インフレ対策として、個人向け国債の「変動10年」は有効な商品だ。半年ごとに、市場の実勢金利によって利率が変わるため、インフレ経済を反映した金利が受け取れる。

ただし、インフレ率が「変動10年」の金利よりも高い水準で上昇し続けた時は、インフレの流れに追いつけない。また「固定5年」や「固定3年」はインフレ対策にはならず、むしろ固定金利がインフレ率よりも低い場合は、タンス預金同様に資産の価値を減らしてしまう。金など現物資産に投資する、外貨商品に投資するなど、その他対策も併せて検討することが大切だが、市場の実勢金利によって利率が変わるという点において、個人向け国債「変動10年」はインフレ対策にお勧めの商品である。