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(写真=Thinkstock/Getty Images)

「暦通りです。」年末年始やGWの休みの予定を聞かれると、僕はいつもそう答える。生まれてこのかたGWの過ごし方は毎年同じだ。どこにも出かけないで東京にいる。行楽地はどこも混んでいる。高速道路も渋滞する。僕は人混みが嫌いである。それだけで「どこかに出かける」という選択肢は排除される。これは子供の時からそうである。確かめたわけではないが、きっと僕の親も、僕と同じ性向であったのだろう。

GWが終わったと書いてよいものか。今日明日も休んで次の日曜日まで連休という人も少なくないだろう。4月の終わりから5月上旬まで、ほぼ2週間の休暇となった人も中にはいるのではないか。

組織・人事などに関するコンサルティング会社マーサーの調査によると、世界で祝祭日の日数が最も多い国はインドとコロンビア(18日)、最も少ない国がメキシコ(7日)である。西欧諸国は総じて少なく、日本は3位(15日)と多い方である。

厚生労働省の統計によると、日本人の労働時間は、1980年代には2000時間を超えていたが、2010年には1700時間台へと減少した。かつては「働き蜂」と皮肉られた日本のサラリーマンの働き方もだいぶ変わった。

だが、ドイツ、フランス、オランダなど西欧の先進国に比べてまだまだ長時間労働である。祝日は日本の方が多いのに労働時間は長い。日本は休暇取得が少なく、残業が多いせいである。

これだけ長く働いて、その分多くの付加価値を生み出しているならまだ救われる。しかし、内閣府が昨年末に発表した2013年の国民1人当たりの名目GDPは、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中で19位と先進国の中では最低クラスである。

理由は、日本人の労働生産性が低いからである。日本の労働1時間あたりの生産性は40ドル強。米国(60ドル)の3分の2であり、フランス(58ドル弱)やドイツ(56ドル弱)に比べても低すぎる。いかに効率の悪い働き方をしているかということである。

一部に、変わる兆しが出てきたのは希望が持てる。早朝勤務を推奨して残業を削減しようという動きが大手企業も含めて広がってきた。労働の効率性を改善しようという意識が高まりつつある。

この季節、関東地方は朝4時台には明るくなる。早くから仕事にかかれば早く切り上げることも可能だ。退社後にプライベートの時間を充実させれば翌日からの活力にもつながる。個人的にはサマータイム制の導入も有効だと思う。

いちばん良いのは各自が好きな時に休暇を取得できるような、柔軟な働き方を社会全体で受容していくことだ。いくら祝日が多くても、「暦通り」にしか休めないのでは、もったいないし、つまらない。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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