5月25日、昨年12月の衆院選で当選した国会議員475人分の資産が、資産公開法に基づき公開された。リクルート事件などを受けて1992年12月に成立した同法は、その目的を「国会議員の資産の状況を国民の不断の監視下に置く」としている。

公開の対象となっているのは、土地や建物、定期預貯金、株券(ただし、銘柄と株数のみ)、100万円を超える車や美術品、ゴルフ会員権、本人名義の貸付金と借入金などだが、流動性の高い普通預金や家族名義の資産が公開対象とされておらず、「実態を反映していない」との声も高い。

ただ、一応の目安として見るべきものではあるにせよ、自民党が民主党から政権を奪回したのに伴って、一部の自民党議員が資産額の平均値を押し上げているなど、公開内容からは自民党と民主党の「格差」が広がっている傾向も読み取れる。

第10位 佐藤章(さとう あきら 以下、敬称略。自民 大阪2区 2億1904万円)

1951年福岡県生まれ。2000年に衆議院議員初当選。現在は第3次安倍内閣における、内閣防衛副大臣兼内閣府副大臣など。義曾祖父にあたる左藤了秀は真宗大谷派の僧侶で、大谷学園を創立。岳父の左藤恵は、衆議院議員として郵政大臣や法務大臣、国土庁長官などを歴任した。義兄にあたる恵の長男左藤一義は、大谷学園の理事長を務めている。

第9位 田中良生(たなか りょうせい 自民 埼玉15区 2億1915万円)

1963年埼玉県生まれ。2005年に衆議院議員初当選。現在は自民党の副幹事長など。立教大学卒業後に後輩とベンチャー企業を立ち上げるなど、経済活動に関心が深い。父親である田中啓一が長年市長を務めた蕨市において、「蕨ケーブルビジョン」の創設にかかわり、現在は取締役会長を務めている。実家は蕨市を中心とする大地主。

第8位 平井卓也(ひらい たくや 自民 香川1区 2億4094万円)

1958年香川県生まれ。2000年に衆議院議員初当選。現在は自民党香川県連の会長など。 祖父の平井太郎元参議院議員は、参議院副議長や郵政大臣を務めた。父は元労働大臣の平井卓志。母の平井温子は四国新聞社の社主。弟の平井龍司は、四国新聞の社代表取締役CEOである。

第7位 白須賀貴樹(しらすか たかき 自民 千葉13区 2億8763万円)

1975年千葉県生まれ。2012年に衆議院議員初当選。現在は政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会の理事など。2000年に東京歯科大学の歯学部を卒業後、学校法人白須賀学園野田聖華幼稚園理事長に就任。2004年には白須賀クリニックを開業した。千葉県歯科医師連盟委員長を務めている。

第6位 鴨下一郎(自民 東京13区 3億3637万円)

1949年東京都生まれ。1993年に日本新党公認で衆議院議員に初当選。現在は自民党の社会保障制度に関する特命委員会で委員長代理を務める。1981年に日本大学大学院医学研究科を修了、心療内科を専門とする医学博士として、医療現場でサラリーマンやOLの心のケアに当たってきた。