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ファストリテの株価は5%超下落

衣料品など専門店各社の6月売上高は、天候要因を背景に実需が伸び悩んだ。一方、先物需要は底堅く、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ <7606> の既存店は増収を確保した。インバウンド(訪日外国人観光客)の取り込みや、ネット通販への力の入れ具合も勝負の分かれ目となった。

暑い日が続いた4、5月から一転、6月は例年より気温が低く推移したことで、夏物商品の需要は低迷した。特に影響を大きく受けたファーストリテイリング <9983> は、国内ユニクロ事業の既存店売上高が前年同月比11.7%減に落ち込んだ。2ケタのマイナスは1年10カ月ぶり。機能性肌着の「エアリズム」をはじめ、ポロシャツなどキャンペーン商品が軒並み不調だった。

既存店の客数は前年同月比14.6%減少した。会社側は「(4、5月に)夏物需要の先食いがあったとはとらえていない」とあくまで一時的な減速との見方を示すが、それまで好調だった売上に先行きに不透明感が強まったことは間違いない。3日の株価は一時前日比5%超下落し、終値では日経平均株価の85円分の押し下げ要因となった。

ジーンズカジュアルのマックハウス <7603> も、6月の既存店売上高は前年同月比12.2%減と苦戦。良品計画 <7453> は家具など生活雑貨の伸びがけん引して同1.3%増加したものの、衣服・雑貨部門は同1.4%減にとどまった。

Uアローズは好調、ネット通販関連に注目

一方、比較的先のシーズンに着る衣服を買い求める客層が主流のUアローズは、好調が続いた。6月は既存店売上高が前年同月比2.6%増。また、「セール需要は年々、実店舗からネットにシフトしている」といい、単体売上の1割強を占めるネット通販が同20.2%増と大きく拡大した。

Uアローズにとってのもう一つの追い風がインバウンド需要だ。6月の免税売上高は前年同月比2.7倍。宝飾品の「クロムハーツ」など高単価商品の売上拡大につながり、全体の客単価を押し上げている。株価は3日に年初来高値を更新。昨年5月以降の上値抵抗ゾーンに差し掛かっており、明確に上抜ければ2013年7月以来の5000円台も視野に入る(3日終値は4350円)。

Uアローズのネット通販好調は、同社の商品を多く取り扱っている通販サイト運営のスタートトゥデイ <3092> への連想にもつながる。また、ネットと店舗のサービスを融合する「オムニチャネル」の関連銘柄として、ラック <3857> やGMO TECH <6026> にも注目したい。(7月6日付株式新聞掲載記事)

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