臼田英司社長
(写真=リフォーム産業新聞)

Mニューユニークス(nuリノベーション) 臼田英司社長
【プロフィール】
マンション開発のサジェストのリノベーション事業部を分社化して、ニューユニークスを2014年12月25日に設立。サジェスト常務取締役の臼田英司氏が代表取締役社長に就任。15年4月から営業開始し「nu(エヌ・ユー)リノベーション」ブランドを展開。

「nu(エヌ・ユー)リノベーション」というブランドで、中古住宅のワンストップビジネスを展開するニューユニークス(東京都渋谷区)。現在は年間ベースで約100件の成約実績を誇る。臼田英司社長は「数を増やすよりも1件1件の満足度を追求することがカギ」と話す。


売上高は年間6億円

◆中古住宅を買ってリノベーションして住みたい人に、物件探しから設計、施工までを一貫して提供するサービスが特徴ですね。

今は月10件前後の契約があり、年間ベースでは約100件になります。売上高では6億円ほど。元々はマンションの開発会社であるサジェストの一事業部だったのですが、4月からはニューユニークスという新しい会社で営業を開始しました。社員は30人ほどいます。

◆年間100件はかなりの数です。何がユーザーの関心を集めているのでしょうか。

ウェブサイトにあるさまざまな事例を見られて、この会社なら希望するリノベーションを実現してくれそう、ということでお声がかかります。実際に多様なニーズに対応できるようにさまざまなメニューを用意しています。

1つはまるごと全部変えたい人向けの「MARUGOTO(まるごと)」。これは1000万円を超えることが多い。2つ目は既存の設備・建材を生かして予算を抑えたい人向けの「ECO(エコ)」。これは築年数が浅い物件などが多いです。その他に、壁や扉だけといったワンポイントだけのメニューもあります。

割合としてはまるごとが5割、エコが4割、ワンポイントが1割。平均するとリノベーションの費用は650万円くらいになります。

◆プランニングが強みですが、設計部門はどんな体制なのでしょう。

設計担当は11人いて、そのうちリーダーが4人。それぞれにアシスタントが2~3人付くというチームを作って対応しています。年間100件やるとなると、1人が同時に4~5案件をフォローしていかなければなりませんので、チーム制にしています。その他、施工管理が4人、見積もり担当が3人います。


10人エステートコンサル

◆改装だけでなく、不動産仲介も行っています。

このワンストップは便利で、安心感があると思っていただくことも、お声がかかる大きな要因です。私どもでは不動産担当部署を「エステートコンサル」と呼び、10人の仲介担当窓口がいます。不動産の知識だけでなく、リノベーションの知識も持っているため、どんな物件が改装に向いているかを見極めてご提案することができるところが特徴です。

◆どんな方からの依頼が多いのでしょうか。

東京都内に住む20代後半から30代で7割を占めています。家族形態は子持ちのファミリーが4割、DINKSが3割、単身世帯が3割。自分らしい家に住みたいという希望を持っている方が多く、さまざまな新築を見た後に来ていただくということが多いですね。予算は物件とリノベーションを含めて3000万~4000万円台になります。

nuリノベーション
中古でも自由に改装できる点が人気


週末相談会に5~10組

◆中古住宅の購入者を集客するのは容易ではありません。どんな方法で集客していますか。

基本的にはウェブマーケティングになります。ウェブサイトを見てもらい、毎週末の個別相談会に来ていただくというのが最も大きな流れで、毎週5~10組ほどいらっしゃいます。その他には、毎月何かしらの雑誌に私どもの施工事例が紹介されていることもPRになっています。

私たちは完成後に、事例写真の提供や取材にご協力いただけますと、設計料を割り引くサービスにしています。それ以外には、自分たちで発行しているタブロイド紙「UNIQUES」や完成見学会、セミナーなどで集客をしています。

◆今後さらに数が伸びていきますか。

年間200~300戸やっていきたい、と言いたいところですが、今はまず100件の1つ1つの満足度を高めていきたい。このビジネスは、物件取得に2~3カ月、設計に2~3カ月、施工に2カ月といったように時間と労力がかかる。企業理念に「心の豊かさを提供し続ける」と掲げている通り、今はよいものを作って顧客満足度を追求したい。(提供: リフォーム産業新聞 6月23日掲載)

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