2016年度の政府予算の各省庁の概算要求と税制改正の要望が出され、予算の要求額は過去最高の102.4兆円程度となった。欧米の財政は増税や歳出の上限設定などの取り組みにより健全化への道を順調に進んでいる一方で、日本は歳出が年々増加し、健全化のペースがかなり遅れているという見方がある。
2015年度の政府の一般会計予算は96.3兆円で歳出は過去最大となり、そのうち36.9兆円が国債の発行でまかなわれている。毎年の歳出のどれだけを借金でまかなっているかを示す国債依存率は2015年度で日本は38.3%である。米国の15.5%と英国の6.5%に比べると、日本の財政は国債発行にかなり依存し、とても悪いように見える。
しかし、各国の予算の計上の仕方や項目が違うため、この国債依存率を単純に比べることは、りんごとりんご(基準が同じもの)の比較になっていない。りんごとみかん(基準が違うもの)を比較しているようなものであり、財政の議論としてはほとんど意味をなさない。