(写真=PIXTA)
個人金融資産(15年6月末):前期末比では17兆円増
2015年6月末の個人金融資産残高は、前年比72兆円(4.4%)増の1717兆円となった(*1)。残高は4四半期連続で過去最高を更新している。年間で資金の流入超過が27兆円あったのに加え、円安・株高基調を受けて時価(*2)が45兆円増加(うち株式・出資金が34兆円増、投資信託が6兆円増)したことが残高の大幅な押し上げに働いた。
四半期ベースでは、前期末(15年3月末)比で17兆円の増加となった。例年4-6月期は一般的な賞与支給月を含むことからフローで流入超過(積み増し)となる傾向があり、今回も9兆円の流入超過となった。
さらに、4-6月期は円安・株高基調となったため、時価が8兆円増加(うち株式・出資金が8.1兆円増、投資信託は0.5兆円減・・・クロス円での円高が影響したと推測)し、残高の増加に寄与した(図表1~4)。
なお、その後の7-9月期については、一般的な賞与支給月を含まないことから、例年フローで資金流出超となりやすい時期にあたる。また、8月以降の株価急落・円高進行によって、保有資産の時価が下落しているため、現在の個人金融資産は6月末と比べて10兆円前後減少していると考えられる(図表4)。