内訳の詳細:株式からの資金流出が進む

4-6月期の個人金融資産への資金流出入について詳細を見ると、季節要因(賞与等)によって例年同様、現預金(とりわけ普通預金等の流動性預金)への資金流入(積み増し)が顕著になっている。

ただし、定期預金への資金流入(0.1兆円)はほぼゼロであり、この時期としては異例の低さに。リスク性資産については、投資信託への資金流入が3.4兆円に達し、1-3月(3.4兆円の流入)に続いて、大規模な資金流入となった。一方、引き続き株価上昇局面であったことで利益確定売りが進み、株式・出資金は3.6兆円の資金流出となった。

これは、証券優遇税率終了を控えて売りが膨らんだ2013年10-12月(4.0兆円の流出)に次ぐ大規模な流出となる。投信と株式・出資金を合わせると、小幅の資金流出となった(図表5,6)。

株と投資信託に外貨預金や対外証券投資などを加えたリスク性資産の残高は、株価の上昇もあって299兆円、その個人金融資産に占める割合は17.4%と、3月末の291兆円、17.1%から拡大し、それぞれ2007年6月末のピークに接近している(図表8)。

その他証券については、国債からの資金流出が拡大したほか、事業債への資金流入が縮小したため、全体としては、例年よりも資金流出がやや大きくなった(図表7)。

資金循環統計 図5-8