今後発表される主な経済指標
◆9月23日 財新(Caixin)中国製造業PMI 9月 市場予想 47.8 前月 47.3
23日発表予定の9月分財新(Caixin)中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は、47.8と前月からの小幅改善が予想されています。
マーケットビュー
◆中国株 小動きでのスタートか 財新(Caixin)中国製造業PMIに注目
本土市場は上海総合指数が週間で3.2%安と大幅に反落しました。
国有資本の運用効率改善や国有企業経営の透明性向上を指示する「国有企業改革の深化に関する指導意見」を公表したにも拘らず、中国証券監督委員会(証監会、日本の金融庁に相当)による「場外配資」と呼ばれる当局に認可されていない信用取引の一種の取り締まりへの懸念が強まる中、13日発表の中国主要経済指標で、小売売上高は市場予想を上回ったものの鉱工業生産、固定資産投資がともに予想を下振れたことが重石となり、週央にかけて下落しました。
ただ、国家発展改革委員会が「中央政府が1兆元規模のインフラ投資の資金を回収」との噂を否定し、「回収するのは0.2兆元規模」と少額に訂正したことなどが好感されたほか、心理的な節目である3,000ポイント近辺では「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドによる買い支えが入ったとみられ、16日に急反発しました。
その後、利益確定売りに押されたほか、証監会幹部が規律違反で調査を受けていることも嫌気され、17日は軟調でした。ただし、習近平国家主席の「中国経済は中程度の高速成長を長期にわたり維持する条件を備えている」との発言や主要70都市の8月分の新築住宅価格も前月に比べて上昇都市数が増えたことを受けて過度な景気減速懸念が和らぎ、18日には下げ止まりました。
香港市場ではハンセン指数が週間で約2%高と続伸しました。中国主要経済指標の悪化や本土市場の反落にも拘らず、国有企業改革への期待でハンセン指数は小幅に上昇して始まりました。
その後16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見気分が強まりましたが、16日以降は米国と中国市場の上昇につれて一時2万2000ポイントを回復する場面もありました。米FOMC後の18日は、利上げが先送りされたものの小幅高に留まっています。
来週の本土市場と香港市場は共に小動きでのスタートとなりそうです。米FOMCで利上げ見送りが決定された上、予想以外にハト派的な内容が好感され資金流出懸念がひとまず後退していることや、習近平国家主席の発言などを受けて過度な景気懸念が和らいだこと、更に中国当局の株価対策が続くとの期待も支援材料視されそうです。
但し、「場外配資」の取り締まりへの懸念が残る中、投資家のセンチメントが依然として弱気に傾いていることもあり、上昇局面では利益確定売りも出易いとみられます。なお、9月分の財新(Caixin)中国製造業PMIの発表が来週23日に予定されており、市場予想通り小幅改善となるかが注目されます。
林宇川(TonyLin)
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部
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